タイ・チェンマイに到着し、笑顔を見せるグランパスのニッキ(佐伯友章撮影)
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【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスは4日、春季キャンプのため、中部国際空港からタイ・チェンマイへ移動した。新人DFハーフナー・ニッキ(17)はキャンプ中の猛アピールでレギュラー争いに参戦すると意欲満々。かつてプロの壁に苦しんだ日本代表FWの兄・マイク(25)=フィテッセ=を超えるようなルーキーイヤーにすると語った。グランパスは17日に帰国する予定。
プロとして初めて臨むキャンプ。ニッキは闘志を胸にチェンマイに降り立った。「新人だからって遠慮はしない。全力でアピールします。『コイツはできる』っていうところを監督に見せたい。レギュラー争いは、簡単じゃないのはわかっていますが、チャレンジします」。燃える気持ちを隠さず、ニッキは語った。
高卒ルーキーがやすやすと活躍できるほどJリーグは甘くない。昨年のグランパスでは田鍋、高原、佐藤、水野の4選手がほとんど出番を得られなかった。ニッキの兄・マイクも横浜Mでの1年目は9試合、無得点。J初ゴールを挙げたのは3年目だった。
「お兄ちゃんは最初あんまり出られませんでしたね」とニッキは昔を思い出す。
だからといって、1年目は勉強と割り切るつもりはない。正月には日本へ帰国していたマイクからこう励まされた。「最大限努力しろ。試合に出る機会があったらそのチャンスを絶対に生かせ。おまえはオレよりメンタルが強い。大丈夫だ」
ニッキは「自分にもヘディングという武器がある。どんどん声も出していきたい」と語る。気後れせずに増川、ダニエルの両センターバックに挑戦する決意だ。
出発に際し、かつてグランパスでGKとしてプレーした父のディドさんからは、「キャンプではしっかり寝ることが大切だ」とアドバイスされたという。「一日一日悔いのないように過ごしたい」とニッキ。197センチの大型ルーキーの濃密な2週間が幕を開けた。
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