中学校舎、４階の水道出しっ放しで１階まで水浸し…何者か侵入、蛇口開ける

酒匂中学校で、水浸しになった教室の水をかき出す教師たち

　５日午前５時３０分ごろ、神奈川県小田原市酒匂３丁目の市立酒匂（さかわ）中学校で、校舎４階手洗い場の水道が出しっぱなしで教室が水浸しになっているのを警備員が見つけ、１１０番した。テニスコートには、教室の机や教科書などが散乱しており、小田原署は悪質ないたずらとみて建造物侵入と器物損壊の疑いで調べている。学校は休校を決め、生徒を下校させた。

　生徒たちの心を踏みにじるあまりにもひどいいたずらだ。教室は一面水浸し、テニスコートに散乱する生徒たちの机や椅子、教科書…。

　同校によると、午前５時３０分ごろ、校内の警報が異常を検知。警備員が駆けつけると、４階に２か所ある水飲み場の蛇口９個から水が勢いよく出ていた。蛇口が上向きにされていたため、水は教室内まで流れ、周辺はすべて水浸しになったという。警備員は約２０分後に１１０番通報した。

　水は４階から１階まで浸水。約２０の教室や校長室まで被害を受けた。特に３階の教室や廊下は、天井から水が激しくしたたり落ちていた。掃除をした男性教諭は「まるで滝のように水が落ちてきた」と話した。

　また、３階廊下では消火剤がまかれ、一面真っ白に。４階の３つの教室の黒板には、ピンク色のチョークで約２０センチの大きさで「死」と書かれた落書きも残されていた。

　被害はそれだけではなかった。９つの教室では、椅子や机がなぎ倒され、校舎下のテニスコートには、机などのほか教材や生徒の教科書、ノートなどが散乱。４階の窓がすべて開けられていたため、ここから放り投げられた可能性があるという。また、校庭の中央あたりには、ライン引き用の石灰で「ＤＥＡＤ　Ｓｃｈｏｏｌ」と書かれていた。

　この日、同校では教諭ら約４０人が総出で、モップなどで水をふき取るなど約１０時間、後片付けに追われた。電気系統のショートなどで火災が発生する危険もあると判断し「授業を行うことは難しい」として、登校した生徒を午前９時ごろに体育館に集め、下校させた。

　前日４日は通常通り授業を行っており、午後９時半ごろまで校舎に残った教諭は、ほかに誰もいないことを確認した上で学校を出たという。授業は６日に再開する方針。１階の窓ガラスも割られていることから、小田原署は侵入経路とみて、捜査を進めている。

（2013年2月6日06時05分スポーツ報知）