やはり、気になった。3年連続で臨時打撃コーチに就任した若松氏が最初に指導したのは、7年ぶりに復帰した岩村だ。
「テレビで(打撃を)見て心配していた。きょうは、納得のいく打撃ができたのではないか。これを続けていけばいい」
1999年、高卒3年目の岩村を登用したのが就任1年目の若松監督だった。厳しく接し、背番号1の後継者に育て上げた。楽天を戦力外になり、苦しむまな弟子に授けたのは、復活への3カ条だった。
(1)左中間に打て
「岩村の長所は左中間への強い打球。フリー打撃では左中間に打てと話した」。逆方向を意識することで体の開きを抑え、本来の打撃を取り戻す狙いがあった。
(2)実戦に出ろ
「体の切れはまだ。実戦をこなすことが大事になる」。紅白戦、練習試合に出場する中で、体の切れを取り戻すよう勧めた。
(3)胸の筋肉を増やすな
「ちょっと胸(大胸筋)が大きいな。スイングの邪魔になるから」。過度のウエートトレーニングは必要ないとした。
快音を連発した岩村は「僕にとっては親。言葉もすんなり入ってくる」と感謝した。恩師の教えが、復活への道標になる。(長崎右)
(紙面から)