團十郎さんが出演したNHK大河ドラマ「花の乱」(94年放送)で共演した女優の三田佳子(71)が4日、スポーツ報知の取材に応じた。あまりに突然の悲報に驚きを隠せず、言葉を詰まらせ、思い出を語る途中、何度も涙をこぼした。
「もう、もう、ショック以外ありません。亡くなられたのを今朝、新聞で知りました。信じられなくて『えっ、うそ!』と声を出していました。まだお若いのに…」。「花の―」で2人は夫婦役。團十郎さんが室町時代の将軍・足利義政を、三田がその妻・日野富子を演じた。この時、義政の少年時代を海老蔵(当時・新之助)が演じていた。
「1年間にわたり、親子でご一緒して…すてきで魅力的な團十郎さん。温厚でおおらかな人柄の中に男らしさがありました。若い時から重責の中での苦労も多く、ずいぶん勉強もされ、学者肌を思わせることもありました」と振り返った。
三田が96年に子宮体がんであることを公表した際には「直接、お電話をいただいて。『大丈夫? 頑張って』と。他人の痛みが人一倍、理解できる優しい方だな、と改めて思いました」。長い公私の付き合いがあり、海老蔵の結婚披露宴にも出席したという。
大河での共演以来、三田の舞台出演時には、必ず團十郎さんから楽屋に花が届けられていた。それが、今月3日初日の東京・明治座公演「かたき同志」の幕が開いても花が見当たらず、気になっていたそうだ。
「私は白血病を含め、完全に克服されて元気になられるものとばかり思っていました。でも、大変な状態でとてもお花どころじゃなかったんですね。唐突過ぎて…。まだご冥福をお祈りします、という気持ちになれないのが今の心境です」。こう声を震わせながら話した。
[2013/2/5-06:00 スポーツ報知]