女優・平田薫(23)が「R―18文学賞vol.1 自縄自縛の私」で初主演に挑んだ。自縛というひそかな趣味によって社会とのバランスを保つ女性を、繊細に、みずみずしく演じている。
百合亜(平田)は、どこにでもいる普通の女の子だが、職場でのストレスを抱える日々。息苦しさから逃れるように、封印していた趣味にのめり込む。
「自縄自縛の意味も分からなくて調べてビックリしたんですけど、嫌な気持ちはなかった。知らない世界で新しいことをやらせていただける好奇心の方が強かった」
2008年に「女による女のためのR―18文学賞」大賞を受賞した蛭田亜沙子さんの小説が原作。俳優・竹中直人(56)が監督7作目にして初めてメガホンに専念した。自縛だけでなく、ヌードを披露し、安藤政信(32)とのベッドシーンもある。
「シャワーを浴びるのも縄で縛るのも、百合亜にとっては日常。それは特別なことじゃなく自然でした。竹中監督は『演者を守るのが僕らの仕事』と言ってくださって、安心して撮影に臨めた」
体当たりで挑んだ今作で、印象的なエピソードがある。
「津田寛治さんと一緒に隣の部屋で縛るシーンで、先に津田さんの撮影を見せていただいたんですけど、怒りや悲しみを感じて涙が出そうになって。その空気を感じながら撮影に入ったら、すごい泣いちゃって夢中で縛っていた。いつ撮影が終わったのかもわからないほど集中していて。こんなことは初めてでした」
モデルとして芸能界入りし、女優としての成長も著しい。透明感が印象的だが、意外な一面も。
「けっこう1人で行動することが多いです。焼き鳥はよく行くし、焼き肉も4人テーブルに1人で座ります。この間、ステーキハウスに1人で入ったけど、これはちょっと勇気がいりましたね」
素顔は“肉食系”。そのギャップも女優としての武器になる。
◆平田 薫(ひらた・かおる)1989年12月15日生まれ。23歳。宮城県出身。中学2年の時に雑誌「CANDy」の専属モデルに。05年、テレビドラマ「魔法戦隊マジレンジャー」ヒロインで女優デビュー。主な映画出演は「アヒルと鴨のコインロッカー」(07年)「るろうに剣心」(12年)など。
[2013/2/5-12:12 スポーツ報知]