「二度の経済危機克服、いずれは評価される」

任期満了控えた李明博大統領インタビュー

■側近偏重人事への批判

-李大統領が行う人事をめぐり「高麗大・所望教会(李大統領と関係が深いキリスト教団体)、嶺南(慶尚道)出身」を指す「高・所・嶺」などという言葉で批判が起きた。最初の大統領府秘書官の顔触れはソウル出身者か嶺南出身者だけが起用されたが、地域バランスは考えなかったのか。

 「私は地域を考慮した人事は行わなかった。基本的に私には地方色がない。企業で働いていた当時もそういうことを気にしなかった。いつか主要ポスト4人の人事でうち3人が湖南(全羅道)出身者だったことがある。そうしたら(私をモデルにした)ドラマで、(主人公が)全羅北道群山出身(という設定)で登場したことから、私が(実は)湖南出身ではないかとも言われた。現政権で全羅道出身の首相、国防部(省に相当)長官も初めて誕生した。国防部長官と合同参謀本部議長がいずれも湖南出身者だったこともある。私はその人間の適性に沿って起用しただけだ。人事はまず能力優先で行うべきだ。第二には考えが異ならず、同じ目標を持つ人でなければならない」

―大統領と同じ大学の出身者を重用したとも言われる。

 「私はどうせなら高麗大出身が良いと考えたことはない。現在の農林水産食品部長官が高麗大出身だが、私は彼が高麗大出身だとは知らなかった。私の人選が『高・所・嶺』だというのはやや無理があると思う」

―大統領を5年務めてみて、(人事の)地域バランスの重要性を認めるようになったか。

 「結果的にどこかに偏っているのはよくないと思う。当選直後には資料もなく、何もなかった。(当時大統領府の秘書室長だった)文在寅(ムン・ジェイン)氏が『資料は全て大統領記録院に引き渡した』と語ったのを聞き、本当に困った。今は2万人に関する資料がある。これを次期政権に全て引き渡す」

■私邸疑惑

―ソウル市瑞草区内谷洞の私邸不正購入疑惑は特別検事による捜査まで発展した。ソウルではなく、郊外の京畿道で自宅用地を購入する考えはなかったか。

 「京畿道でも用地を探した。大統領警護処が京畿道一帯で歩き回らなかった場所はない。そこも地価が高かった。そして警護処で警備上の問題がない用地を優先して探したものだ。私は本当は故郷のようなノンヒョン洞(江南区)の自宅に行きたかった。そこでCEOにもなり、ソウル市長にもなったのだから。ところが警護処が警備上の理由で反対したため、ほかの場所を探した」

―内谷洞の私邸用地を本人名義で購入したなかったのは。

 「(警護処から)大統領名義で購入すると、周辺の地価が上昇するため、購入は不可能だと言われた。歴代大統領もそうしてきたと聞いている」

―それでも息子の李始炯(イ・シヒョン)氏名義ではなく、他人名義で購入できたのではないか。

 「私の考えでは建築許可を受ければ、どのみち私の名義になるはずだと思った。息子に財産を譲るわけでもなく、私が死ぬまで暮らす家なのに」

金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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