―大運河を建設できなかったことは残念か。
「先進国でも後進国でも川を生産的に使わず、下水排出口のように使う国はない。コンゴでも大河で原材料を輸送している。オランダからギリシャまでは運河経由で行けるそうだ。そこで運河をつくればよいと考えた。今後ある大統領が当選し、この問題に対する国民的認識が変わった際、推進するかどうか考えるべき問題だ。私が今になってどうこう言うことはできない」
―最近監査院が4大河川事業に否定的な内容の監査結果を発表した。怒りを感じなかったか。
「公務員は水利工事について理解できていない。水利工事は洪水が起きればやり直しになるため、素早く進める必要がある。監査院で環境に携わる人は水利工事に関する理解がない。監査院も政府機関であり、私の立場でどうこう言えないではないか」
■赦免措置と側近のスキャンダル
―先日実施した特別赦免は批判を受けることが確実で、大統領もそれを知っていたはずだが、なぜ実施したのか。
「退任時に行おうと思い、昨年の光復節(8月15日、日本による植民地支配から解放された日)と年末には赦免を実施しなかった。(今回の7回目の赦免までに)6回の赦免を行った。普通(歴代大大統領は)8-9回行った。赦免を実施したことで批判を受けるが、私の任期中に起きた権力型のスキャンダルについては赦免しないという約束を守った。(今回は)民間人査察といった事件の赦免は行わなかった。崔時仲(チェ・シジュン)元放送通信委員長のような人については(任期開始)以前の問題だ。いくつかの原則は守った。側近を赦免したというが、本当の側近については赦免しなかった。国民に心配をかけて申し訳ない」
―2008年の総選挙で実兄の李相得(イ・サンドゥク)元国会副議長の出馬を取りやめさせるべきだったという後悔はないか。
「李相得議員は(私が大統領になる前から)政治を行ってきた。私が就任する前に国会で副議長、政策委員会議長、事務総長を務めている。私の就任後に政界入りしたならともかく、(李元議員の出馬は)私が関与すべき問題ではないと考えた」(李大統領はインタビューで終始「李相得議員」と呼称)
―任期中の民間人査察問題は本当に知らなかったのか。
「知らなかった。後で調べてみると、政治的な大物を査察したわけでもなく、新聞に出たものをファイリングしたものだった。それを(大統領府の)首席秘書官や室長に報告したわけでもない。過去に行っていたスタイル通りにしたものだ」