「二度の経済危機克服、いずれは評価される」

任期満了控えた李明博大統領インタビュー

 任期満了を目前に控えた李明博(イ・ミョンバク)大統領は4日、本紙のインタビューで在任期間を振り返り「二度の経済危機を克服し、世界的に最高の評価を受けたが、国内的には困難があった。(他人が認めてくれないという)悔しい思いはないが、自己評価では、経済危機に直面して最も懸命に取り組んだ大統領だという自負がある」と強調した。

 以下は一問一答。

―2008年の世界的な金融危機を真っ先に克服し、世界の大手格付け会社3社が韓国に対する信用格付けを日本と同等かそれ以上に引き上げた。韓国でその部分が評価されないことに悔しさはあるか。

 「私が就任したのは10年ぶりに政権が交代した時期に当たった。現政権下では貧富の格差が最も改善し、中産階級も減りはしなかった。(中産階級関連の統計や図表を示しながら)それでも中産階級の崩壊が続いたと言われた。結局これは政治的、理念的に反対する人々の声だった。私は国のために懸命に働けばよいのであって、いちいち反論する必要はあるのかと考えた。昨年末に中小企業中央会が主催した会合で予想以上の歓待を受けた。約500人が集まって本当に喜んでいた。今すぐではなくても、世の中には判断してもらえると考えている」

―在任中に「金持ち重視政権」と言われ続けたが、どう思うか。

 「大企業よりも中小企業のための政策に神経を集中した。経済危機の際にはどうしても大企業の業績の方が良いため、(私に向かって)大企業偏重だと言うが、経済危機の際に大企業を殺せばよいのか。国の生き残りを図るべきであって、大企業、中小企業のための政策はいずれも必要だ」

―大企業の元最高経営責任者(CEO)として、韓国の財閥についてどう思うか。

 「私が思うに、大企業の問題は企業の総帥が文化を変えることが非常に重要だ。大統領府(青瓦台)で会議を開いて脅しをかけることはできるが、それではいけない。企業は海外に脱出しようとし、大統領の任期5年を耐えればよいわけだから。そこで財閥の総帥12人を集めて伝えた。彼らには下請け会社の経営者を呼び、謝意を伝えたことがあるかと尋ねた。そうやって理解を求めたところ、大企業が納品業者との会議を開いたりして、実質的に大きく変わったとの報告を受けている」

■批判集めた4大河川再生事業

―4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)再生事業は必ず任期中に一気に進めなければならなかったのか。

 「分けて進めることは政治的に不可能だった。民主党は(全羅道の)栄山江を先にやろうと言い、(慶尚道の)洛東江沿いの人はそれでは駄目だと言った。韓国は土木、水問題に関する技術は世界的なレベルにある」

―どの場所も先に進めることができないというならば、ほかの場所にも拡大することで政治的負担を軽減できたのではないか。

 「4大河川事業には22兆ウォン(約1兆9000億円)もかかったというが、段階的に進めたならば50兆ウォン(約4兆2000億円)でも足りない。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権当時も似たような事業を推進し、それぞれ70兆ウォン(約5兆9000億円)、48兆ウォン(約4兆1000億円)が必要とされた。私が就任した当初、経済危機に直面した。ただでさえ、公共勤労(低所得者や失業者のための雇用創出事業)に年間4兆-5兆ウォン(約3400億-4200億円)が必要だったが、4大河川事業を進めれば、全羅道、慶尚道、忠清道でそれぞれちょうど見合った。政治的にも同時に推進しなければならないという立場だった。民主党も運河を建設しないならば反対しないと言っていた」

金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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