まぶしい太陽に照らされた白球が、青空を鋭く切り裂いた。まだ第1クール。それでも、明らかに打球の勢いが変わっていた。福留が、ひそかに新打法を試していた。
「効率よく強く打つために変更している。こっち(沖縄)にきて、気になっていたから、変えながらやっている。やり始めたばっかりだから、しっくりくるこないは実戦に入ってからですが」
汗をぬぐいながら理由を語った。午後のフリー打撃。グリップの位置を少し高くし、軸足に十分に体重を乗せ、バットが体に巻きつくようにフォロースルーをとった。59スイング中、大半が中堅から右方向への鋭い当たりでサク越え4発。前日の6発(57スイング)よりは少ないが、あの福留ならではの打撃フォームが帰ってきた。
宜野座を訪れた中日時代からの恩師・佐々木氏は「日本にいた時のイメージ」と解説した。「力をロスしないようにやっている。これまでは右足をかなり早めにステップしてたが(今回)いいゆとりができていた。まったく心配ないね」。