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アプリケーション層はOSI 参照モデルの最も上位に位置し、コンピュータを操作するユーザが使用するアプリケーションと下位の層へ橋渡しをするものです。たとえばキーボードから「Hello」と入力したメッセージを相手のコンピュータに表示させたり、手元にあるデータファイルを他のコンピュータに転送したりするのも、このアプリケーション層の役目です。
キーボードから入力された電子メールの情報なのかファイル転送の相手先なのか、送信側の情報を認識し、受信側のどのアプリケーションに渡すべきかをコントロールするのがアプリケーション層の役目です。
プレゼンテーション層は上位の層から渡された情報を通信に適した形式に変換して下位の層に渡したり、下位の層から受け取った情報をアプリケーション層に適した形で受け渡す役目を担います。
キーボードから入力されたデータをビット符号*5 に変換するのもプレゼンテーション層の役目です。アプリケーション層ではビット化されたデータは認識できないのでビット化されたデータを集め文字や画像の情報であることをアプリケーション層に伝達します。アプリケーションが認識できる共通のデータフォーマットを使うことはまさにプレゼンテーション層における通信をしていると理解してもよいでしょう。
セッション層はプレゼンテーション層で符号化されたデータを相手に送信する機能を持っています。通信を行うためには効率的な送り方を相手のコンピュータとやりとりすることになりますが、この機能をセッション層が受け持ちます。セッション層では相手との経路(コネクション)が確立するとともに送信の方法を決定することが可能になります。互いの通信の開始や終了などもこのセッション層が管理します。
送信する情報は、実際には複数のパケット(*)に分割されて送信されます。これら複数の情報の中には、途中の通信の状態によって届かないものも出てくるので、パケットが1つでも抜けてしまった場合、送信された情報は正しく相手に伝わらなくなってしまいます。トランスポート層ではこれらの細分化したデータを1つ1 つ管理し、データに抜けがないか監視しています。もし、抜けがあった場合に相手のトランスポート層に連絡して、欠落したデータの再送を要求する機能をもっています。
*パケットは「小包」という意味で、相手先に送るデータを細かく分割された情報の固まりを意味します。
ネットワーク層では、パケットを相手まで届ける際のコンピュータ同士の取り決めを行います。第3 層の規定では、送るべき相手にはそれぞれIPアドレスを割り当てることになっています。ネットワーク層では、パケットにヘッダと呼ばれる相手先の住所(IPアドレス)を付け加え、下位層に引き渡します。このアドレスと自分のアドレスを明確にすることで送信時の経路(ルーティング)が決まるのです。
情報をやり取りするべき相手のアドレスは、ネットワーク層で明確になりますが、実際のネットワークは1対1で接続されているわけではありません。たくさんの中継装置が相手とのあいだに介在しています。情報を分割したパケットはこれらの機器を経由して最終的に相手に伝達されることになります。データリンク層ではネットワーク層で決定された相手先アドレスをもとに経由する次の機器の相手先を管理します。経由する次の機器ではやはり、データリンク層のレベルで対応します。
物理層ではその名のとおりコンピュータ同士を接続するための物理的な部分を管理しています。データリンク層から渡されたビット情報を実際に伝送するための電気信号に変換したり、届いた電気信号をビット情報に変換したりする役目を担います。また、ケーブルやコネクタなどの規格もこの物理層で規定しています。
【参考】
インターネットで使われているTCP/IP プロトコルとはOSI 参照モデルの規定によって決められたプロトコルで大きく4つのレイヤに分かれています。