はてなダイアリーは今から9年前、2003年3月に正式リリースされた。その直後の時期に、現在はGREE社長である田中良和氏が、はてな社長の近藤淳也氏にインタビューした記事がある。今読み返すと色々と味わい深い。
■毎日更新されるwikiを作りたい→はてなダイアリー
id:jkondoは、はてなダイアリー開発の際に参考にした先行物として、Web日記システムのtDiary、ブラウザから直接編集できるコンテンツ作成システムのwiki、参加者の関心事項を集めたコミュニティシステムの関心空間という3つを挙げている。そして、tDiaryからは個人が更新を継続しやすい日記という形式を、wikiからは編集し易さを、関心空間からは関心でつながるコミュニティーのあり方を参考にし、「継続可能で毎日更新されるWikiを作りたいという考えから、最終的に現在のはてなダイアリーの形に」なったと語っている。
はてなダイアリーとwikiシステムのつながりは意外と濃い。
■wikiの課題は、更新が滞ること
そのwikiについてid:jkondoは、ページを新規に作成することは簡単だけれど、その更新が滞ることが課題だと語っている。
初めのうち利用者はページをたくさん作るのですが、もう1度ページを再編集しようと思わせるトリガーがない。そう考えるとWikiは情報を本棚のように整理するためには非常に便利なのですが、毎日何かしらのアクションがあるのがウェブサイトの面白みだという考え方からすると、更新が滞りがちで、物足りなさを感じました。
■今日のブログの課題も、更新が滞ることでは?
この9年前のwiki論は、現在のブログにも当てはまるのではないだろうか。ブログも開設するのは簡単だけれど、更新を継続するのは難しい。ある程度まとまった量の文章を書くというは、やはり面倒臭い。
実はこの記事も、ここまで書いて眠くなってしまった。ここで「続きは明日書いて、明日の夜に投稿しよう」なんてことをやってしまうと、結局テンションが下がり、書きかけの記事はお蔵入りになることが自分は多い。今、ブログの下書き置き場になっているフォルダーを確認してみたら、アウトラインが数行書いているものも含めれば、書きかけのブログ記事のテキストファイルが100件以上あった…orz
■ハードルを上げると更新が滞る
以前、はてなブログの想定ターゲットユーザーのハードルが上がっているのではないか、という話を書いた。
しかし、「ブログ=プレゼン」みたいに、ブログに求める完成度のハードルを上げてしまうと、ブログの更新が滞りがちになる。自分の経験上はそうだ。だから、ブログの更新が滞ると、ハードルを下げたサブ・ブログを開設してみたりする。そうすると、気分転換になってブログの更新が捗ったりするものだ。
そう言えば最近、「はてな開発者ブログ」が、はてなブログにお引越ししてきた。
で、その初っ端の記事がこれ。
けっこう気合が入っている。つまり、ハードルが上がってしまった。こういうブログは更新が滞る悪寒がする。更新頻度は数ヶ月に数回みたいな。
■ブログ文化の再活性化の鍵は、やはり更新頻度
もちろん、更新頻度の高いコンテンツは、twitterやFacebookなどのフローなメディアに任せておけばいいという考え方もあるかもしれない。ブログは、もっとどっちりと構えたスローなメディアとして質を高めるのだ、という考え方もあるかもしれない。
しかしそれでも、「毎日何かしらのアクションがあるのがウェブサイトの面白み」という、9年前にid:jkondoが語った言葉は今現在も通用すると思う。毎日とは言わなくても、一週間に1回程度は更新しないと、ブログというメディアも面白みが無いと思う。
どうしたらブログの更新頻度が上がるのか?そういう問題意識をどこか片隅に置きながら、はてなブログの開発を今後も進めて欲しい。
【追記】その手があったか!(違
【関連リンク】
ブログというメディアは、まだまだオワコンではないと思うのだけど…