2013年02月03日
国土強靭化法案、何が問題なのか。
「国は、(中略)高速自動車国道、新幹線鉄道等の全国的な高速交通網の構築その他の地域間の交流及び連携を促進し、日本海国土軸、太平洋国土軸その他の複数の国土軸が相互に連携することによる多軸型の国土の形成を図るために必要な施策を講ずるものとする。(第18条)」
「国は、国土の保全を図るため、国土の大半を占める農山漁村及び当該地域の基幹的な産業である農林水産業を振興するために必要な施策を講ずるものとする。(第20条)」
かつて田中角栄元首相が提唱し、道路利権、バラマキと後々批判されることとなる「日本列島改造論」。そのための1970年代の法律かと見間違えかねないこんな条文をご存知でしょうか?
実はこれは自民党の一部議員の間で検討が進められ、昨年の通常国会に議員立法として提出(未成立)された「国土強靭化基本法案」の中の条文です。
安倍政権、そして自民党議員の多く、そして多くの国民の皆さまが考えている「国土強靭化」は、トンネルや橋などの修繕メンテナンス、そして学校などの耐震化を進め国民の命・安全を守るための対策を最優先で進める、というものだったはずです。
それがいつの間にか、一部の政治家の工作によって、このような「旧い政治」そのもののような似て非なる「国土強靭化」に化けてしまいかねない状況となっています。まさに上記の第18条はその象徴のような条文ですし、第20条もあえて震災対応の法律に書き込むような性質のものではありません。これらは防災・減災とはほとんど無関係といわざるを得ないものです。
この厳しい財政の状況下で、持続的な経済成長を進めることは簡単なことではありません。優先順位、メリハリをきちんとつけねばなりません。国民の多くの方の期待もそこにあるはずです。
今自民党の一部には、昨年のこの国土強靭化法案をそのまま提出しようという動きがあるようですが、これがそのまま成立してしまえば、旧来型のバラマキ政治に逆行する種ともなりかねません。
安倍政権の方向性は「平成25年度予算編成の基本方針」でも明らかとなっているように、このような優先順位が高くない高速道路や新幹線の新設にはありません。
私自身、先に書いた「予算編成の基本方針」に関する党の会合でも発言させていただいたところでもありますが、この安倍政権の方針と明確に矛盾する現行の国土強靭化法案が、うやむやのうちに提出されることがないよう、少なくともここに書かせていただいたような、防災・減災とは関係がないようなものの建設に予算が縛られ機動性を失わせるような条文が含まれないようにするために、党内論議を喚起していきたいと思います。
「国は、国土の保全を図るため、国土の大半を占める農山漁村及び当該地域の基幹的な産業である農林水産業を振興するために必要な施策を講ずるものとする。(第20条)」
かつて田中角栄元首相が提唱し、道路利権、バラマキと後々批判されることとなる「日本列島改造論」。そのための1970年代の法律かと見間違えかねないこんな条文をご存知でしょうか?
実はこれは自民党の一部議員の間で検討が進められ、昨年の通常国会に議員立法として提出(未成立)された「国土強靭化基本法案」の中の条文です。
安倍政権、そして自民党議員の多く、そして多くの国民の皆さまが考えている「国土強靭化」は、トンネルや橋などの修繕メンテナンス、そして学校などの耐震化を進め国民の命・安全を守るための対策を最優先で進める、というものだったはずです。
それがいつの間にか、一部の政治家の工作によって、このような「旧い政治」そのもののような似て非なる「国土強靭化」に化けてしまいかねない状況となっています。まさに上記の第18条はその象徴のような条文ですし、第20条もあえて震災対応の法律に書き込むような性質のものではありません。これらは防災・減災とはほとんど無関係といわざるを得ないものです。
この厳しい財政の状況下で、持続的な経済成長を進めることは簡単なことではありません。優先順位、メリハリをきちんとつけねばなりません。国民の多くの方の期待もそこにあるはずです。
今自民党の一部には、昨年のこの国土強靭化法案をそのまま提出しようという動きがあるようですが、これがそのまま成立してしまえば、旧来型のバラマキ政治に逆行する種ともなりかねません。
安倍政権の方向性は「平成25年度予算編成の基本方針」でも明らかとなっているように、このような優先順位が高くない高速道路や新幹線の新設にはありません。
私自身、先に書いた「予算編成の基本方針」に関する党の会合でも発言させていただいたところでもありますが、この安倍政権の方針と明確に矛盾する現行の国土強靭化法案が、うやむやのうちに提出されることがないよう、少なくともここに書かせていただいたような、防災・減災とは関係がないようなものの建設に予算が縛られ機動性を失わせるような条文が含まれないようにするために、党内論議を喚起していきたいと思います。
suzuki_keisuke at 22:51│トラックバック(0)