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'13/2/5

可部線電化延伸は15年で合意




 広島市とJR西日本は4日、廃止されているJR可部線の可部―旧河戸間(広島市安佐北区)について、2015年春の運行開始を目標に電化で復活させると発表した。総事業費は約27億円で、国から3分の1の補助を受けて市が負担する。国土交通省によると、JRで路線復活する全国初のケース。市北部地域の交通網整備が前進する。

 計画によると、延伸区間は約1・6キロ。13年度中に着工する。敷地は廃線敷を活用する。旧河戸駅近くの県営住宅跡地に終点駅(亀山南1丁目)と、安佐北区役所などに近い可部駅との中間点に新駅(亀山2丁目)を設置。いずれも電車4両分の長さに対応するホーム(85メートル)を作り、無人駅とする。

 一日の利用客は、中間駅を1800人、終点駅を2200人と見込んでいる。

 終点駅まで横川(西区)―可部間と同じ運行本数を確保するため、可部駅を上下線が行き違えられるよう改良。住民から復活の要望があった4カ所の踏切のうち、移設も含めて3カ所設置する。

 駅舎やレール、鉄橋などは市が整備。駅舎やホームは市が所有し、電車や線路の保守など運行にかかわる経費はJRがまかなう。

 この日、松井一実市長とJR西日本広島支社の杉木孝行支社長が市役所で合同会見し、2月1日に事業化の最終合意の覚書を交わしたと説明した。

 電化延伸は、08年9月、可部線の活性化調査が国の補助対象となり、市やJRでつくる協議会が検討を続けていた。

【写真説明】JRで全国初の路線復活となる可部―旧河戸間の沿線。手前が河戸側(撮影・福井宏史)




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