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“発達障害の被告に求刑上回る懲役刑”2審始まる1月29日 17時16分
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発達障害のある被告が殺人の罪に問われ、1審の裁判員裁判が、「発達障害に対応できる社会の受け皿がない」として求刑を上回る懲役刑を言い渡した事件で、29日、2審の裁判が大阪高等裁判所で始まり、弁護側は1審判決について、「発達障害に対する偏見と差別がある」と厳しく批判しました。
この事件は、おととし、大阪・平野区の住宅で発達障害のある大東一広被告(42)が、姉から自立を促されたことに腹を立て、包丁で殺害した罪に問われているものです。
1審の裁判員裁判は、「社会の中で発達障害に対応できる受け皿が何ら用意されておらず、その見込みもない現状では再び罪を犯す心配があり、長期間刑務所に収容することが社会秩序の維持にも資する」として、検察の求刑を上回る懲役20年を言い渡していました。
弁護側が控訴して、29日から大阪高等裁判所で始まった2審で、被告の弁護士は「受け皿がないと決めつけ、発達障害を理由に重い刑罰を科した1審判決には偏見と差別がある」と厳しく批判しました。
そのうえで「発達障害の影響で被告は当時パニックに陥り、心神耗弱の状態だった」と主張し、刑を軽くするよう求めました。
これに対し検察は、責任能力があったと反論して裁判は結審し、来月26日に判決が言い渡されることになりました。
1審判決を巡っては、障害者の支援団体などから発達障害に関する理解や認識が不足しているといった指摘が相次いでいました。
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