MTU ( Maximum Transmission Unit )
MTU とは、一回のデータ転送にて送信可能な [ IPデータグラムの最大値 ] のことです。
例えば、Ethernet型LANの環境においてはEthernetフレームが最大 1518byte なので、
Ethernetヘッダ ( 14byte ) と FCS ( 4byte ) を除く [ 1500byte ] がMTUサイズとなります。
Ethernet型LANにおけるMTUの算出 |
Ethernet frame |
- |
Ethernet header & FCS |
= |
MTU |
1518 |
18 |
1500 |
PPPoEの場合、Ethernetフレームにカプセル化する前に、PPPとPPPoEもカプセル化する
必要があり、PPPとPPPoEヘッダの8byteを含めて 1500byte 以内にする必要があります。
従い、PPPoEが実装されるLANではMTU上限が理論上1492byteであることが分かります。
PPPoEが実装されているEthernet型LANにおけるMTUの算出 |
Ethernet frame |
- |
Ethernet header & FCS |
- |
PPPoE header |
- |
PPP header |
= |
MTU |
1518 |
18 |
6 |
2 |
1492 |
MSS ( Maximum Segment Size )
MSSとは、TCPが格納するユーザデータで[ 受信可能なセグメントサイズの最大値 ]のことです。
Ethernet型LANでは、Ethernetフレームが最大1518byteなので、Ethernetヘッダ ( 14byte )
FCS( 4byte ) TCPヘッダ( 20byte ) IPヘッダ( 20byte ) を除く1460byteがMSSサイズとなります。
※ MSSはMTUからTCP/IPヘッダ(40byte)をマイナスした値で、常に「MSS = MTU - 40」となる。
Ethernet型LANにおけるMSSの算出 |
Ethernet frame |
- |
Ethernet header & FCS |
- |
IP header |
- |
TCP header |
= |
MSS |
1518 |
18 |
20 |
20 |
1460 |
PPPoEの場合、PPPとPPPoEにもカプセル化 する必要があり、これらPPPヘッダとPPPoEヘッダの
合計8byteを含めて1460byte以内にする必要があります。従ってPPPoEでは接続元のクライアントが
接続先サーバにTCPコネクションを確立する際に最大1452byteのデータを要求できることになります。
PPPoEが実装されているEthernet型LANにおけるMSSの算出 |
Ethernet frame |
- |
Ethernet header&FCS |
- |
PPP header |
- |
PPPoE Header |
- |
IP header |
- |
TCP header |
= |
MSS |
1518 |
18 |
2 |
6 |
20 |
20 |
1452 |
RWIN ( Receive Window Size )
RWINとは、相手側の確認応答 ( Ack ) を待たずに一度に送信出来るデータサイズのことです。
通信時のSYN/ACKのコネクションの際に、TCPが受信可能なMSSとRWINを相手に通知します。
RWIN は、回線速度やPCの CPU/Memory などにより、最適なサイズが異なりますが、Win98の
RWIN のデフォルト値 ( 8192byte ) は、ブロードバンドADSLに適した値ではなく、NTTの推奨値
( MSS = 1414 / RWIN = 16384 ) の半分の値になっています。
Win2000だとADSLが早くなるのはRWINのデフォルト値がNTTの推奨値である上にWin2000の場合
MSSの12倍 ( 16968byte ) に自動的にRWINの値を変更してくれるからです。PC の設定として、
MTUは経路探索するからいいもののRWINは適切な値にしないと遅いままです。
※ RWINのデフォルト値 Win95 / 98 / NT ( 8192byte ) Win2000 / ME ( 16384byte ) WinXP ( 65535byte )
EthernetフレームとPPPoEフレームのフォーマット
< Ethernet フレーム>
< PPP over Ethernet フレーム >

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