九州の大地震確率 最大42%2月1日 17時37分
政府の地震調査委員会は、各地の活断層ごとに推計していた地震の発生確率を複数の活断層を含む地域ごとに計算し直すことになり、このうち九州では、今後30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が起きる確率が最大42%と推計されています。
地震調査委員会は、これまで全国の100余りの主な活断層ごとに地震が起きる確率を推計していましたが、こうした活断層以外でも近年、地震が相次いでいることなどから、複数の活断層を含む地域ごとに発生確率を計算し直すことになり、まず、九州の推計結果がまとまりました。
それによりますと、今後30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が起きる確率は、長崎県と佐賀県や福岡県、熊本県、大分県のそれぞれ一部を含む「九州中部」が最も高く18%から27%、次いで鹿児島県と宮崎県それに熊本県や大分県のそれぞれ一部を含む「九州南部」が7%から18%、福岡県や佐賀県、大分県のそれぞれ一部を含む「九州北部」が7%から13%で、九州全体では30%から42%と推計されています。
また、九州でマグニチュード7以上の大地震のおそれがある活断層は、これまで8つとされていましたが、断層の長さや過去の活動などを見直した結果、ほぼ2倍の17に増えています。
地震調査委員会の本蔵義守委員長は、「震災のあと、地震活動が活発になっている東北や関東に比べると、現在、西日本は地震が少ないが長期的に見れば九州の発生確率は高い。国内のどの地域でも地震は発生するので、地震に対する備えは日頃から行ってほしい」と話しています。
活断層の「長期評価」見直しの背景は
政府の地震調査委員会は、18年前の阪神・淡路大震災をきっかけに、防災対策に役立てるため、国内の主な活断層ごとに地震が起きる確率などを推計した「長期評価」を公表してきました。
評価の対象となったのは、マグニチュード7以上の大地震のおそれがあるとされる長さ20キロ以上の活断層が中心で、これまでに110の活断層の評価がまとめられました。
しかし、近年、国内で相次いだ大きな地震は評価の対象となっていた活断層では発生しておらず、平成17年に起きたマグニチュード7.0の福岡県西方沖地震や、平成20年のマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震のように、あとになって活断層の存在が明瞭になったケースもあります。
また、平成16年の新潟県中越地震(M6.8)や、平成19年の能登半島地震(M6.9)、それに新潟県中越沖地震(M6.8)など、マグニチュード7に満たない地震でも顕著な被害が出ています。
このため地震調査委員会は、存在が知られた個別の活断層だけを見るのではなく、活断層を含む地域単位で地震の危険性を評価する方が防災対策に有効だとして、顕著な被害が想定されるマグニチュード6.8以上の地震を目安に、地域ごとの長期評価を改めてまとめることになりました。
地震調査委員会は、今回の九州に続いて関東の地震の発生確率を来年をめどにまとめる予定で、今後10年ほどをかけて全国各地域の評価を公表していくことにしています。
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