豆をまく名古屋グランパスのGK楢崎=名古屋市中区の成田山萬福院で(木村尚公撮影)
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節分の3日、名古屋グランパスのGK楢崎正剛(36)が名古屋市中区の成田山萬福院で行われた豆まき式にゲストで登場した。楢崎は7位に終わった昨季は自滅と語ったうえで、4日からのキャンプでチームとしてのスタイルを確立することがV奪回の条件になると力説した。豆まきにはMF小川、DF増川、DF阿部も参加した。
赤の裃(かみしも)を身につけた楢崎が子どものように無邪気に笑った。「福は内」の声とともに、御利益を求めて詰め掛けた参拝客に豆を投じる。「こういう体験は初めて。楽しいですね。厄落としにもなったんじゃないかな」とほのぼのと語った。
4日にはキャンプ地のタイへ出発する。13年連続で主将を務める楢崎は、このキャンプが3年ぶりの優勝を狙ううえで極めて重要だと位置づけている。「チームとしての戦い方を明確にしなければならない。メンバーによってサッカーが違うんじゃあダメなんです」
頭にあるのは昨季の失速だ。故障者の続出でメンバーは日替わり状態。試合によって戦術もコロコロ変わった。「結局どうやって攻めたいのかわからなかった。失点も自分たちのミスから。自滅ですよ」と楢崎。同じ轍(てつ)を踏まないためには、2週間のキャンプで意思統一を完璧にする必要がある。
「相手がどこであろうと、自分たちのサッカーを貫き通すのが本来のウチのやり方。自信を取り戻さないといけない」
豆まきには邪気を払うという意味があるが、グランパスが退治すべき“鬼”は「外」ではなく、自分たちの「内」にある。初のタイキャンプで、楢崎を先頭に再び優勝を狙う軍団に生まれ変わる。 (木村尚公)
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