攻撃的なポジションへのシフトを歓迎するグランパスのMF藤本=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF藤本淳吾(28)が、サイドで再生する。昨年は主に中盤で起用されたが、今シーズンは永井、金崎の退団で攻撃陣が手薄になるため、3トップの両サイドなどで起用される可能性が高い。2日の紅白戦でもFWでプレーした。「サイドは自分が一番好きなポジション」と得意の攻撃で得点量産を狙っている。
水を得た魚のようだ。紅白戦で主力組のFWに入った藤本が輝いた。ツートップでコンビを組んだ玉田のゴールをアシストし、積極的な動き出しでDFの裏を狙い続けた。
藤本は「FW? 勝手にオレが入っただけ」と照れ笑い。攻撃陣のポジションは自主性に任されていたもようで、自らFWに入ったという事実が意欲の表れだ。
昨季は4−3−3の中盤で出場するケースがほとんど。攻守のバランスを取る役割はそつなくこなしたが、肝心の得点は「2」。「プロに入って、一番『壁』を感じた一年でした」。チームプレーに徹するあまり、持ち味を失っていた。
10年まで在籍した清水では、岡崎(シュツットガルト)らと3トップを組んで得点を量産した。藤本は「自分にはサイドが合っていると思う。やりやすいという感覚はある。攻撃の比率が多いしね」と語る。今季は退団した永井、金崎の2人の代わりにサイドに入るとみられ、持ち味が最大限に生かせる。
1月にはオフを利用してスペインを訪れ、世界最強と呼ばれるバルセロナの試合を観戦。「ウチもあんなサッカーをやりたいとは思うけど、次元が違う」と高レベルのサッカーに刺激を受けた。
「ミスなくボールをキープできるメンバーはそろっている。攻撃に流動性を出していければ」と藤本。自慢の左足で攻撃の中心を担う意気だ。
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