署名すでに3000人分

支援者へ「がんばって」の声

2013/02/04

 県立豊川工業高校陸上部の体罰問題で、同校元PTA会長らの呼びかけで集まった同部OBや保護者など約100人は3日、この日開かれた名岐駅伝のフィニッシュ地点(名古屋市中区)で、渡邉正昭監督(50)の現場復帰と指導継続を求める署名活動を展開した。個人的に集めた署名を持ち寄る来場者もおり、1日で1000人超の署名が集まった。元PTA会長で、2人の息子が陸上部で渡邉監督の指導を受けた荻野滋夫さんが呼びかけ人となり、29日から署名活動を始めた。20年前の創部当時に在籍したOBらも署名活動に加わった。

 すでに1500人余りの署名が集まっており、この日の分と合わせると3000人近くに上る。荻野さんの自宅には2日、同窓生のひとりから監督を応援する手紙が届いた。10人分の署名も添えられていた。

 支援者らは、豊川工高の文字が入ったオレンジ色の帽子に「渡邉監督ありがとう」と書かれた名札を付け、沿道に立った。声は上げず、署名簿を手に静かにたたずんだ。署名に応じた人たちは「がんばって」と声をかけていた。

 荻野さんは「数を集めるのではなく、同じ気持ちの人が集まってくれればいい」と話す。「私たちは決して体罰容認の立場ではない。ただ、先生の情熱に感謝する私たちの気持ちを発信したい」。

 署名活動に立った同部OBの男性会社員(25)は、監督について「理不尽に怒る人ではないし、感謝の気持ちしかない。これだけの支援者の数が証明している」と話した。

 署名は10日まで行い、県教育委員会に提出する。

『恩返しのため走った』声詰まらせ安藤主将

 同部はこの日、目標にしてきた同大会に予定通り出場。現在指導を自粛している渡邉監督不在のまま、岐阜市から名古屋市までの6区間40・2キロを走りきった。結果は男子高校の部4位と、3連覇は逃したものの、4区(5・3キロ)の平和真と、5区(5・2キロ)の富安央は区間賞に輝いた。平は15分8秒で区間新。

 安藤悠哉主将(3年)は「この3年間は先生のおかげ。強くしてくれた先生に恩返しのつもりで走った」と時折声を詰まらせながら語った。

 中西征裕顧問(48)は「はじめ出遅れたが、しっかり追い上げてくれた。結果は悔しいが、結果がすべてではない」と振り返り、署名活動については「ありがたい」と話した。

2013/02/04 のニュース

署名を持ち寄った支援者と握手する荻野さん

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