九州電力:電気料金値上げ公聴会 企業努力足りない、報酬削減など不十分−−意見陳述人

毎日新聞 2013年02月01日 西部朝刊

 九州電力の電気料金値上げ申請に関する公聴会が31日、福岡市で始まった。初日は25人が意見陳述し、うち24人が値上げや九電の原発再稼働に対する反対の意思を表明した。また、値上げ幅算定の原価となる、役員報酬などの人件費や燃料調達費の削減が不十分だとの指摘も相次ぎ「値上げの前に企業努力をすべきだ」との厳しい意見が大勢を占めた。【中山裕司、関谷俊介】

 ◆人件費

 公聴会は、九電が国に申請した家庭向け平均8・51%の値上げ幅が適正かを審査する経済産業省電気料金審査専門委員会が開催。九電の瓜生(うりう)道明社長は、役員報酬が、昨年9月に35%削減した後も年間1人平均約3200万円に上り、社長経験者の相談役2人と顧問1人の年間報酬が計8900万円(1人約2900万円)、6人の監査役が1人約1900万円であることを明らかにした。

 意見陳述した男性は「赤字である九電の高額報酬は納得できない」と批判。審査委員の松村敏弘・東大社会科学研究所教授は「法外に高ければ、35%削減では足りないという審査委の結論も出てくるだろう」と述べた。

 ◆燃料費

 燃料調達費にも批判が出た。九電は値上げ幅の基準となる原価算定で、液化天然ガス(LNG)価格を関西電力より7%高い1トン7万5813円で提出。佐賀県の男性は「燃料費が安くなる企業努力をすべきだ」と発言。米国産天然ガス「シェールガス」の早期導入を求める意見も出た。

 ◆原発再稼働

 九電が7月からの順次再稼働を目指していることに批判が続出。北九州市の女性が「多くの人が脱原発を望んでいる。再稼働が前提の事業計画は疑問だ」と指摘したのに対し、瓜生社長は「再稼働の前提がないと料金算定できない。(再値上げも)再稼働の状況次第だ」と応じなかった。

 しかし、再稼働には二千数百億円規模の設備投資が必要とされ、福岡市の男性は「値上げの真の理由は原発維持だ」と反発。中でも運転開始から37年の老朽化した玄海原発(佐賀県玄海町)1号機は、廃炉の可能性もあるのに維持管理費がつぎ込まれるため批判が噴出した。だが瓜生社長は、運転を原則40年とする国の規制にもかかわらず「運転40年後も20年使うつもりだ」と意に介さなかった。

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