東愛知新聞 本日のニュース 平成24年4月18日
2012/4/18
○「豊橋市の責任を明らかに」損害賠償請求へ
     浜名湖の章南中ボート転覆事故

○三河地区のトップ切り、早場米の田植え始まる
     豊橋の神野新田地区

○人材育成など4分野で連携
     幸田町と協定を締結・蒲郡の愛知工科大

○情報発信強化へHP一新
     渥美半島観光ビューロー

○商店街で飲み歩きイベント
    刈谷から講師迎え先進に学ぶ・豊川商議所

○英語で研究発表、交流深める
  コアSSH訪英団が成果報告、県教育長を表敬

○楽しく自然のメカニズム学ぶ 
   渥美さん企画「うんち大作戦」・蒲郡市図書館

○“山のえかきさん”初個展
     花祭など描く東栄町の伊藤さん・豊橋

○新城さくらまつりゴルフコンペ
     さわやかにラウンド・本社など主催

○「こどもの日いなり」登場
     豊川市役所で7店舗の販売会



平成24年4月17日のニュース

「豊橋市の責任を明らかに」
西野さん遺族、損害賠償請求へ
来月上旬に3者を提訴
浜名湖の章南中ボート転覆事故



「司法の場で豊橋市の責任を明確にしたい」とする西野友章さん(中)。左側が小林、右側が菊地弁護士=豊橋市役所市政記者室で

「司法の場で豊橋市の責任を明確にしたい」とする
西野友章さん(中)。左側が小林、右側が菊地弁護士
=豊橋市役所市政記者室で


 浜松市の浜名湖で2010年6月に起きた豊橋市章南中学校のカッターボート転覆事故で、死亡した西野花菜さん(当時12歳)の父親・西野友章さん(53)が17日、安全配慮義務を怠ったとして豊橋市を相手取り、総額6000万円余りの損害賠償を求める民事訴訟を起こすことを明らかにした。5月上旬、名古屋地裁豊橋支部に提訴する予定という。
(高石昌良)

 同日、豊橋市政記者クラブで行われた記者会見には、西野さんはじめ小林修弁護士、菊地令比等弁護士が同席して説明した。
 西野さんは3月16日、佐原光一市長に謝罪申し入れを手渡した。「先日受け取った回答書に謝罪の言葉はひと言もなかった。市は事故責任を認めておらず、責任の所在を明確にする目的で訴訟に踏み切ることを決めた」と説明した。
 原告は友章さんと妻の光美さんの2人。カッターボート訓練を企画した豊橋市と、「三ケ日青年の家」設置者の静岡県、同施設の指定管理者で訓練を実施した小学館集英社プロダクションの3者に連帯して損害賠償を求める。
 請求額は「6000万円を超える程度を考えている」と小林弁護士。友章さんは花菜さんの命日(6月18日)の前に第一回公判が開かれることを望んでおり、公判手続きの日程を考慮して5月上旬に提訴する意向という。
 友章さんは会見で「豊橋市は民事上の安全配慮義務を怠った」とし、最も怠った例として学校側が主体的な判断を下さなかったことを挙げた。「土砂降りのなかで訓練を行った。現場に居た校長が『やめる』と決断すれば娘は救われた」と指摘した。
 菊池弁護士は05年に新潟県で起きたカヌー転覆事故(千葉県の県立高校の女子生徒が課外授業のカヌー川下り中に艇が転覆して水死)の判決(東京地裁民事部、08年)に言及。
 「判決はカヌー訓練を実施した会社やインストラクターだけでなく、企画した学校側の責任を認め千葉県に賠償を命じた。悪条件の中で学校側が一歩引いた形で実習を強行し水難者を出すなど今回と酷似している。豊橋市の民事責任を明らかにしたい」とした。
 西野さんの提訴の意向を受け、佐原市長は事故を教訓に市は再発防止に努めてきたとした上で、「私どもの取り組みやご両親に対する誠意が伝わらなかったものと、残念に受け止めております」とするコメントを出した。