おおらかな芸風と華のある風姿で「勧進帳」の弁慶役など歌舞伎十八番を得意にした歌舞伎俳優の市川団十郎(いちかわ・だんじゅうろう、本名堀越夏雄=ほりこし・なつお)さんが3日午後9時59分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。66歳だった。葬儀などの日程は未定。当代の海老蔵さんは長男。
2004年5月、歌舞伎座(東京)で十一代目海老蔵襲名披露興行中に、急性前骨髄球性白血病とわかり入院。10月には海老蔵襲名パリ公演で復帰したが、翌年再発し、06年には10カ月ぶりに舞台に立った。昨年12月の南座公演中に体調不良を訴え休演し、肺炎の疑いで治療を続けていた。
東京都出身。戦後歌舞伎の華だった十一代目団十郎の長男として生まれ、53年に7歳で初舞台。58年に六代目市川新之助を襲名し、同世代の尾上菊之助(現菊五郎)や辰之助(87年死去)と共に「三之助ブーム」を巻き起こした。69年に十代目市川海老蔵を、85年に十二代目団十郎を襲名した。