“スマホから悪質サイト”相談 2年で100倍2月3日 22時4分
スマートフォンのコンテンツに関する相談が全国で急増しています。
気付かないうちにアダルトサイトに誘導されて高額の料金を請求される悪質なものなど、今年度は先月末までに、相談件数がすでに一昨年度の100倍以上に上っていることが、国民生活センターのまとめで分かりました。
アプリをインストールする際に個人情報を抜き取られ、直接電話で料金を請求されたケースも多いということで、注意を呼びかけています。
国民生活センターによりますと、去年4月から先月末までに、スマートフォンのコンテンツに関して寄せられた相談は、全国で1万3396件に上りました。
これは、昨年度全体の5718件の2倍以上、さらに一昨年度の98件と比べると約140倍に上り、スマートフォンの普及を背景に相談件数が急増しています。
最も多い相談はアダルトサイトに関するものが約8400件と、全体の約63%を占めています。
次いで、出会い系サイトに関する相談が約1300件(約10%)、ゲームに関する相談が約400件(約3%)となっています。
アダルトサイト 誘導されアプリで電話番号抜き取りも
スマートフォンを含め、全国の消費生活センターへの相談件数で、最も多いのがアダルトサイトに関する相談です。
相談の内容は、▽「スマホでアニメ動画を見ていたら画面のどこかに触れた拍子にアダルトサイトが開き、次々と画面が変わって『登録完了』と表示され、10万円請求された」(30代男性)、▽「アダルトサイトのサンプル動画を無料で見られると思い、アプリをインストールしたら数分動画を見ただけで9万円を請求され、無視したら業者から電話がかかってきた」(20代男性)といったものが多いということです。
スマートフォンでは、特にアプリの取り扱いに注意が必要です。
インストールする際、電話番号などの個人情報を抜き取られるケースが相次いでいるためです。
また、「利用料は3日以内の支払いなら6万円。それを過ぎると9万円」と表示して利用者を焦らせたり、「退会ボタン」を押したら、料金を払わないと退会できないとしつこく請求するなど、利用者を不安にさせてお金を払わせようとする手口も目立っています。
出会い系サイト “タレント”“仕事紹介”装い高額被害が深刻化
出会い系サイトに関する相談は、1件当たりの被害額が数百万円から数千万円に上るケースもあり、より深刻です。
メール交換に必要なポイントの購入を重ねることなどで、被害額が高額になるのです。
中にはタレントや資産家などに成り済ましてメール交換を引き延ばし、請求金額を少しずつ増やすなど、手口も悪質化しています。
▽「メッセージ交換が無料でできるアプリで、『タレントの相談に乗ってほしい』とのメッセージが届き、案内されたサイトでメール交換を始めた。メール交換に必要なポイントを相手に頼まれるまま購入したら、総額が30万円になった」(50代女性)、▽「仕事を探すサイトに登録したつもりなのに出会い系サイトに登録された。すると、『話し相手になってくれたら800万円渡したい』とメールが届いた。メール交換を始めたところ、ポイント代をすでに4万円払ってしまった」(20代女性)など、悪質なケースが目立ちます。
少額のポイント交換から始まり、「メールが文字化けするので解消するため30万円を支払ってください」などと、要求がエスカレートして被害が高額になるケースも多く、過去には携帯電話から誘導されたサイトで老後のために蓄えていた8000万円を失った女性もいたということです。
“お金を払う前に相談して”
国民生活センターでは、スマートフォンが急速に普及したうえ、常に持ち歩くことで利用頻度が高いことが、相談や被害の急増につながっているとみています。
悪質サイトによる被害を避けるため、国民生活センターでは、「信用できるアプリ以外はインストールしないでください。また、業者に連絡すると個人情報が伝わってしまうので、こちらから連絡をせず請求されても応じないでください。電話番号が漏れてしまったら着信拒否などで対応することが必要です」と話しています。
また、出会い系サイトについては、「お金をあげる」「高収入を得られる」などのメールには特に注意が必要だと指摘しています。
また、悪質サイトについては、お金を払わないよう注意を促しています。
「実態が不明な業者が多く、一度お金を払ってしまうと取り戻すのは困難です。トラブルになったり不安を感じたりした場合は、とにかくお金を払う前に相談してください」と話しています。
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