豊川工問題で臨時保護者会・見えない真相に戸惑い
2013/02/01
県立豊川工業高校で陸上部監督の男性教諭(50)が部員に体罰を繰り返していた問題で、同校は1月30日夜、全校生徒の保護者を対象にした臨時保護者会を開いた。全体の3割弱にあたる191人が出席。竹本禎久校長は、体罰を防げなかったことについて「大変申し訳なく、心からおわび申し上げる」と謝罪した。会終了後、取材に応じた保護者からは、監督の実績を評価したうえで、具体的な体罰の内容を明らかにするよう求める声が上がった。「どれが事実か分からない」と戸惑いの表情を見せた。
問題発覚後、同校は26日、陸上部の保護者に対し経緯を説明したが、全校を対象としたのは初めて。報道陣には非公開で行い、会終了後、古井成之教頭が質問に応じた。
保護者会では、教頭による経緯説明の後、保護者らに意見や質問を募ったが、男性一人から「生徒のことを第一に考えてほしい」と要望があった以外、手は挙がらなかったという。
同校は、男性教諭の処分などについては県教委の指導を仰ぐとしているが、再発防止策として、部活動の見学をPTA役員らに呼びかけたほか、スクールカウンセラーによる生徒面談の継続、定期的な生徒アンケートを行う方針を決めた。
生徒らの動揺に配慮し、県教委は29日にカウンセラー2人を同校に派遣。陸上部員31人を面談した。来週以降、全校生徒に対象を広げ、メンタルケアを行うという。
竹本校長はこの日の会終了後、保護者19人と個別に面談した。大半の保護者から「学校のために何かできることはないか」との声が寄せられたという。
陸上部は現在、自粛中の同教諭を除く4人の顧問の指導で練習を継続しており、2月3日の名岐駅伝にも予定通り出場する。
26日に同校が開いた記者会見では、男性教諭に体罰という認識はないという報告だったが、稲垣孝臣教頭によると、現在は状況を重く受け止め、体罰と認めて反省しているという。
▽1年男子生徒(運動部)の40歳代母親
10分以上もなぐり続けるなんてありえない。大げさではないか。学校はマスコミなどへの外向きの対応ではなく、問題点と真剣に向き合って生徒のための教育に励んでほしい。
▽3年男子生徒の40歳代父親
面白い授業をする先生だと息子に聞いていたので驚いた。体罰は、私たちの時代にはよくあったが、時代の風潮もあるので何とも言えない。
▽3年男子生徒の40歳代父親
トカゲのしっぽ切りのような処分では解決しない。教諭にはガンバレと言いたい。