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政府税制調査会長などを歴任し、国鉄改革や消費税導入にかかわった経済学者の加藤寛(かとう・ひろし)さんが1月30日、心不全で死去した。86歳だった。理事長を務める財団法人小原白梅育英基金によると、葬儀は故人の遺志により行わないという。
岩手県出身。慶応大経済学部卒業後、1966年から同学部教授、90年4月から新設された同大学総合政策学部長を歴任。95年から千葉商科大学、2008年から嘉悦大学で、それぞれ学長を務めた。専門は比較経済体制論・公共経済分析論だが、各種の審議会や学会の会長を幅広くこなした。
小泉純一郎元首相は慶大時代の教え子。中曽根康弘氏ら歴代首相のブレーンとして、自民党幹部と太いパイプを持つことで知られた。中曽根内閣では、「土光臨調」と呼ばれた第2次臨時行政調査会(第2臨調)第4部会長として、国鉄や電電公社の民営化を推進。国鉄再建監理委員も務めた。政府税調には87年から委員として入り、90年から2000年まで会長を務めた。消費税の導入や引き上げなど、税制改革論議をリードした。