沖縄 中国船がサンゴ密漁か2月2日 14時29分
    2日朝、沖縄県の宮古島沖の日本の排他的経済水域で、許可を得ずにサンゴを採っていたとして、中国漁船の船長が逮捕されました。
海上保安部は、中国でサンゴの価格が高騰していることが背景にあるとみて調べることにしています。
2日午前8時前、沖縄県宮古島市の東平安名崎の東北東、およそ45キロの日本の排他的経済水域で、中国漁船が操業しているのを海上保安部の航空機が見つけました。
巡視船が現場に向かったところ、漁船は急発進して逃げようとしましたが、まもなく停船させ、自称・中国人の63歳の船長を無許可操業の疑いで逮捕しました。
海上保安部は、船長を宮古島海上保安署に移して取り調べを進めており、船長は「サンゴの漁をしていた」と容疑を認めているということです。
また、船内からは、多数のサンゴの破片が見つかったということです。
国内のサンゴの取り引き業者によりますと、中国では、サンゴの宝飾品の需要が富裕層を中心に高まっており、高値での取り引きが続いているということです。
中国漁船によるサンゴの密漁を巡っては、おととし長崎県沖で摘発されたほか、去年12月には鹿児島県沖で中国漁船の船長が逮捕されていますが、沖縄近海での摘発は初めてです。
海上保安部は、中国でのサンゴの価格の高騰が背景にあるとみて詳しく調べることにしています。
中国漁船が無許可で操業していた沖縄県の宮古島沖の海域には、赤い色が特徴の「アカサンゴ」などが生息しています。
アカサンゴは「宝石サンゴ」と言われ、多くが宝飾品に加工されますが、中国では赤い色が幸福などを意味することから、富裕層を中心に人気が高まっています。
中国への輸出も手がけている国内の業者によりますと、宝石サンゴの原木の1キロあたりの価格はこの10年間で3倍余り上昇し、1キロあたり100万円を超えることも少なくないということです。
一方、乱獲が懸念されるとして国際的な保護を求める声も強まっていて、沖縄県の漁業調整規則では、研究目的などで知事の許可を得た場合を除き、「宝石サンゴ」の採取を禁止しています。
中国漁船によるサンゴの密漁を巡っては、これまでに長崎県や鹿児島県の沖合でも摘発されていますが、沖縄でも地元の漁業者から外国の密漁船の情報が寄せられていることから、沖縄の周辺海域を担当する第11管区海上保安本部は取り締まりを強めることにしています。
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