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田子倉駅3月中旬廃止 JR東方針 只見町「容認できず」

 只見町のJR只見線田子倉駅の廃止が検討されていた問題で、JR東日本は15日、同駅を3月中旬に廃止する意向を目黒吉久町長らに伝えた。同社が町側に廃止について正式に伝えたのは初めて。町、町議会は「容認できない」として、引き続き存続を求める。町民からは「新潟・福島豪雨災害の復興に向け、駅の存続は絶対必要」と反発の声が上がっている。

■会津川口-只見駅間 復旧可否春に判断
 目黒町長と斎藤邦夫町議会議長、町議らは同日、東京都のJR東日本本社を訪れ、廃止が検討されていた田子倉駅の存続を要望した。新潟・福島豪雨災害で不通になっている会津川口(金山町)-只見(只見町)駅間の早期復旧も求めた。町側によると、同社役員から田子倉駅の存続が厳しい状況にあり、廃止する考えがあらためて説明されたという。
 目黒町長は福島民報社の取材に対して「到底認めることはできない」と憤りを示した。町と町議会は国、本県選出国会議員に引き続き、存続への支援を求める考えだ。
 また現在算定中の会津川口-只見駅間の復旧費用は50億円以上かかる見通しであることが示されたという。同社は今春に具体的な費用を算定し、復旧させるかどうかを判断するという。
 田子倉駅は昭和46年8月に只見線の只見-大白川(新潟県魚沼市)駅間の開通に伴い設置された。只見町の中心部から南西に8キロの252号国道沿いにあり、県内の只見線の駅で最西端。開業時から無人駅で平成13年度から冬季は通過する駅となっている。
 JR東日本によると、近年は年間(12~3月の冬季は通過)利用者が約250人で1日当たり1人の利用にとどまっている。

■町民憤りの声 「観光誘客に必要」
 只見町民からは廃止の意向が正式に伝えられたのに対して憤りの声が上がった。
 只見線復旧などの署名活動に積極的に取り組んできた町商工会の目黒長一郎事務局長(63)は「今すぐ方針を変更すべき。豪雨で被害を受けた浅草岳の登山道が今年完全復旧する。新潟県側からの観光誘客につなげるためにも最寄りの田子倉駅は必要」と訴えた。
 地域づくりに取り組む只見の自然に学ぶ会代表の新国勇さん(55)は田子倉駅を含めて只見線が観光路線として重要な役割を果たしていることを強調。「駅廃止は地方の『切り捨て』だ。人材、エネルギーを送り出してきた地方が健全であってこそ都市部が成り立つ」と地域のシンボルである駅の存続を求めた。

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JRが廃止の意向を正式に示した田子倉駅
JRが廃止の意向を正式に示した田子倉駅

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