元十両北勝国の大銀杏(おおいちょう)を切り落とす八角親方=東京・両国国技館で(岸本隆撮影)=2日
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初場所限りで引退した元十両北勝国(27)が2日、東京・両国国技館で引退相撲を行った。200人がはさみを入れ、最後に師匠の八角親方(元横綱北勝海)が大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。
2008年春場所で新十両に昇進したが、手首のけがで関取として史上2例目の番付外への陥落。その後に再び十両昇進を果たした努力家だった。再十両までは前相撲を含めて所要5場所。これは参考記録(初土俵ではないため)ながら史上最速での十両昇進だった。最高位は東十両6枚目。
北勝国は今後、北海道函館市で就職する。「力士の誇りを忘れず頑張っていこうと思う。壁にぶち当たっていきたい」と語った。
野球賭博が問題化したときには休場した。八角親方は「印象深い弟子だった。不祥事を起こすは…」と、稽古熱心だった弟子に愛情を込めて言葉を投げ、「大けがをして下まで落ちてかわいそうだった。将来は子どもたちを教えていければと話していた。それが相撲界への恩返しになる」と送り出した。 (岸本隆)
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