ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の日本ハム・中田翔内野手(23)が変身した。キャンプ地を視察した山本浩二監督(66)にあごひげをいじられると、即日できれいさっぱりそり、侍ジャパンのドレスコードにこたえた。
夜のミーティングが終わり、ロビーに下りてきた中田の顔はツルツル。練習中にあったひげが無かった。「オレはどっちでもいいし、じゃまくさいから。ひげそったのが記事になるなんてオレくらいだろ。いや、(ヤクルトの)畠山さんもか」。そう言って笑った。
この日は山本監督の視察日。球場入りした時の中田は、茶色に染められたひげが2センチほど伸びていた。それを指揮官にあいさつした際、「伸びてるなぁ」と引っ張られた。1月9日にも、山本監督は金髪丸刈りの中田の写真を見て「服装や態度は社会人として大事。こんな格好で合宿に来たら一喝せんといかん」とおかんむりだった。その後、中田は伸びてきた金髪を刈り、黒髪でキャンプインしたが、ひげまでアウトとは思っていなかった。
フリー打撃では、推定飛距離140メートルを含めて39スイングで柵越え4発。山本監督は「粗さはある。後ろから見とると、いいところ見せようという力みがあった。でも途中から良くなった。魅力あるよな。遠くに飛ばす、というのは」と同郷・広島の後輩を評価した。帰り際は「ひげ? そんなの中田も分かってるやろ」ときっぱり。それを伝え聞き、素早く反応した。
バットで持ち味を発揮し、貴重な長距離砲としての片りんをみせた中田。素直に意見を聞き入れて、ひげをそった。その優等生ぶりは、いいアピールになったはずだ。 (竹村和佳子)
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