九州電力:経営不信感ぬぐえず 値上げ公聴会
毎日新聞 2013年02月01日 21時32分(最終更新 02月01日 21時43分)
九州電力の電気料金値上げ申請に関する、経済産業省電気料金審査専門委員会の公聴会は1日、2日間の日程を終えた。九電の瓜生(うりう)道明社長の発言に意見陳述人が「脅しだ」と怒りをあらわにし、原発再稼働を巡る「やらせメール」問題を生んだ九電の経営体質への言及も相次ぎ、消費者の不信感はぬぐえないままだった。
審査委員長の安念潤司・中央大法科大学院教授が「値上げしないと九電はどうなるか」と質問したのに対し、瓜生社長は「燃料を買うカネがなくなるので、1週間から1カ月間ぐらい電気が止まる可能性もある」と発言。意見陳述人の男性は「我々は電力会社を選べない。社長の発言は脅し以外の何ものでもない」と強く批判した。再稼働しなければ家庭向けと企業向けを合わせて平均35・64%の値上げが必要とした九電の試算についても、別の男性が「再稼働がなければ再値上げすると言うのは脅しだ」と九電に注文をつけた。
一昨年発覚した「やらせメール」問題を起こした九電への不信は根強い。北九州市の男性は「九電幹部は国民の信用をなくしている」とバッサリ。「節電要請」についても、電力供給余力からみて実施の必要があるのかと疑問視する意見が出た。
2日間を通じ、値上げ幅の算定基準となる原価が適正だと主張する九電側と、原発再稼働や九電の経営体質に不信感を抱く意見陳述人の溝は埋まらなかった。公認会計士の永田高士・審査委員は「電力会社は株主や従業員だけに偏らず、消費者にも情報公開をしてほしい」と要望した。
公聴会では計34人が意見を陳述。審査委員会は今後も審査を続け、公聴会の意見などを踏まえて報告書をまとめる予定。九電は、家庭向けで平均8.51%の料金値上げの4月実施を目指している。【中山裕司、関谷俊介】