ノックを受ける西岡(左)。福留(右)と練習を盛り上げる【拡大】
真新しいユニホームが真っ先に黒土で汚れた。はるか前方の白球にあえて飛び込んだ。ボールには届かなかったが、見守ったすべての人の心をわしづかみにした。西岡が鮮烈な虎デビューを飾った。
「ああいう球を久慈さんが打ってきたんで。最初に飛び込めというメッセージだと思った。期待に応えようと」
振り返ったシーンはシートノックだ。ノッカーを務めた久慈内野守備走塁コーチの1球目。放たれた打球は明らかな一、二塁間へのヒットゾーンに転がった。しかし、同コーチが「ミスショット」と頭をかいたノックを意気に感じた。目一杯、グラブを伸ばして、ダイブ!! クールな男が見せたガッツプレーで汗ばむ宜野座の温度がさらに上昇した。
その後は新井良と大声を張った掛け合いでグラウンドのムードを高めた。「野次られたら、野次りかえしてやろうと。自然にチームに溶け込めた。でも、いじられる存在にはなりたくないです(笑)」と汗を拭った。
キャンプ初日からリーダーシップも発揮した。全体ランニングでキャプテンの鳥谷が先頭を陣取ると、その横に並んだ。
「お互い二遊間を組む間柄。鳥谷さんが先頭に立つなら、役立ちたいなと思った。若手ではないんで、引っ張っていく存在になれたら」
1番打者の期待がかかる背番号「7」の姿に和田監督も「引っ張っていこうという気持ちを見せてくれた」と満足げにうなずいた。
初日を終えた西岡は「疲れました。でも、気持ちいい疲れですね」と言って笑った。アーリーワークをこなし、フリー打撃では108スイングでサク越えゼロ本ながら、鋭い当たりを連発。スピードスターらしく、わずか1日で阪神での居場所をフライングゲットした。 (小松 真也)
(紙面から)