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甲状腺被ばく“目安超え ほぼない”1月27日 19時20分
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東京電力福島第一原子力発電所の事故で、これまでよく分かっていない住民の甲状腺への被ばくについて、放射線医学総合研究所が実際の検査データなどをもとに試算し、「健康への配慮が必要とされる国際的な目安を超えて被ばくした住民はほぼいない」とする結果をまとめました。
独立行政法人の放射線医学総合研究所は、27日、東京で開かれたシンポジウムで、福島県全域を対象に試算した住民の甲状腺への被ばくについて報告しました。
甲状腺への被ばくは、50ミリシーベルトが健康への配慮が必要とされる国際的な目安となっていますが、甲状腺にたまる放射性ヨウ素は時間がたつにつれて検出が難しくなるため、今回の原発事故で目安を超えた住民がいるかどうかよく分かっていません。
研究所は、原発周辺の12の市町村の住民の試算には、事故直後に行われた一部の子どもの検査と、比較的長く残る放射性セシウムの検査で実際に検出されたデータを使いました。また、ほかの市町村については、原発から放出された放射性ヨウ素の広がり方を推計したモデルを参考にしました。
その結果、甲状腺の被ばくが最も多かったと推定されるのは、いわき市と双葉町、それに飯舘村の住民で、1歳の子どもでは最大で30ミリシーベルト程度でした。
研究所は「今回の事故で、健康への配慮が必要とされる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えて甲状腺に被ばくした住民はほぼいないと考えられる」としています。研究所の明石真言理事は「今後は、個人個人の行動と照らし合わせて、被ばく量の推計をより確実なものにする必要がある」と話しています。
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