見どころ
「原発ある福島県民は放射能まみれ。ワロタ~」
「福島県民は放射能の中に閉じ込めとけ!放射能うつすんじゃねーよ」
原発事故以来、そんなネットの書き込みが被災地の若者たちを絶望の淵に追いやった。
福島第一原発から45Kmの所にある県立相馬高校の女子生徒たち。「将来子どもができて、その子に障がいが見つかったら、全部私たちのせいにされる」「でも私たちは、何も悪くないじゃない!」様々な悩みを抱え、苦しんでいた彼女たちは、やがて演劇「今、伝えたいこと(仮)」を通じて思いの丈を伝え始める。
それは、復興に向かう大人たちが言葉にしない福島の現実。女子高生たちのストレートな思いが詰まった舞台が、観客の胸に突き刺さっていく。
内容
東日本大震災と福島第一原発事故からちょうど1年が過ぎた2012年3月11日。
東京の小さな劇場で被災地の高校生たちによる劇が上演されました。演じるのは福島県立相馬高校の女子生徒たち。彼女らが未曾有の大災害で感じたことをストレートに表現すると、観客席の大人たちは大きな衝撃を受けました。舞台を作りあげた女子高生たちを追います。
麻希:「将来、子どもができて、もしその子に障がいが見つかったら全部私たちのせいにされる。」
桜:「ここで生きていくのは私たちなんだよ!絶望に負けちゃだめなんだよっ!」
「放課後、いつものように雑談に興じる仲良し女子高生三人組。そのうちのひとりが突然、放射能差別を理由に自殺。仲間の死をきっかけに心の闇があぶり出されていく」というのが劇のストーリーです。
メンバーたちはそれぞれの被災体験を話し合い、「今、伝えたいこと」、その思いを演劇の中に込めてきました。前に進もうという希望と未来が見えなくなってしまった絶望がせめぎ合う中で生み出された脚本は、福島の高校生たちが直面しているリアルな現実を浮き彫りにしています。そして、大人たちは、高校生たちの心の中には複雑な感情がこんなにも多くあることに気づかされ、舞台から発せられる言葉に胸を締め付けられました。この舞台は、反響を呼び、石川、京都、宮城で上演され、今後も札幌市や南相馬市での上演が予定されています。
放射能による健康への不安。福島県に向けられる差別や誹謗中傷。傷ついた高校生たちがどうやって将来に向かおうとしているのか、舞台に立つ高校生たちの心の葛藤にも迫ります。
「さぁ復興だ!がんばっぺ!」と大人たちは、かけ声を挙げて前に進もうとしています。でも、そのかけ声の裏側には「本当はいろいろ不安を叫びたいけど、復興に水を差すようなことを言ったら白い目でみられちゃうよね。だから言えないんだよね、本当のこと。」という思いを抱いている人もいます。それでも、相馬高校の生徒たちは覚悟を持って声を挙げました。「今、伝えたいこと」を隠さずに全国に届けようと…。
私たち大人は、子どもたちの声にしっかりと耳を傾けているでしょうか、置き去りにしていないでしょうか、「今、伝えたいこと(仮)」に詰まった福島の現実を受け止めて欲しいと思います。
作品名の「(仮)」は原発事故はいまも収束せず進行中で、直面する壁も日々変わり、伝えたいことも変わっていくという気持ちが込められています。
キャスト
ナレーター:杉山裕子
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福島県相馬高校の女子生徒が演劇を作った。「放射能うつすな」心ない言葉に傷つき、将来への不安は拭えない。タイトルは「今伝えたいこと(仮)」。心の叫びが突き刺さる。
出演者
- ナレーター
- 杉山裕子
番組内容
「福島県民は放射能まみれ。ワロタ~」「放射能うつすんじゃねーよ」原発事故以来、そんなネットの書き込みが被災地の若者たちを絶望の淵に追いやった。福島第一原発から45キロにある福島県立相馬高校の女子生徒たちは、演劇「今、伝えたいこと(仮)」を通じて思いの丈を伝え始める。それは復興に向かう大人たちが言葉にしない福島の現実。女子高生たちのストレートな思いが詰まった舞台が、観客の胸に突き刺さっていく。
制作
福島中央テレビ
その他
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- ジャンル
- ドキュメンタリー/教養 - ドキュメンタリー全般 ニュース/報道 - 特集・ドキュメント