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2012年3月21日(水)

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  • ワイヤード・マガジンが、最新の暴露記事で国家安全保障局(NSA)がユタ州ブラフデイルの田舎に秘密裏に建設中の米国最大のスパイセンターの詳細をスッパ抜いています。これは「ステラ・ウィンド(恒星風)」という暗号名を持つNSAの極秘監視プログラムの一環です。調査報道記者ジェイムズ・バムフォードによれば、NSA は全米各地に盗聴ポストを設け、国内外で発信される何億とも知れないEメールや電話会話の内容を収集しふるいにかけてきたと言うことです。このユタ州のスパイセンターは同局が集めたすべての種類の通信情報を保管できる、ほぼ底なしのデータベース容量を持ちます。その情報には私的なEメールや携帯電話の会話、グーグルの検索履歴や駐車券、旅行の日程、書店での購買記録やその他ポケットのゴミくずになるようなものなど、すべての種類の個人的な情報の足跡が蓄積されます。NSA長官のキース・アレクサンダー大将は昨日、米国市民の電話やEメールが盗聴されているということはないと否定しましたが、これに対しバムフォードは「NSAは今までも一貫してやっていることを否定してきましたが、実はやっていたということが、いつもバレてしまうのです」と言います。「何年か前にブッシュ大統領はカメラの前で合衆国が令状なしに誰かを盗聴することはないと明言しましたが、その後ニューヨークタイムズの記事で実は令状なしで盗聴を行っていたということが明らかになりましたよね。彼らの説明はいつも同じ、一貫した否定です」

  • 国家安全保障局(NSA)の内部告発者、トーマス・ドレイクに話を聞きます。彼はNSAの浪費や不適切な管理、憲法違反の恐れのある活動に関して告発した後、当局の弾圧の標的となり訴追されましたが、彼に対する訴追は後に失敗しました。ドレイクはボルチモア・サン紙がNSA の「トレイルブレイザー(Trailblazer)」と呼ばれる予算12億ドルのプログラムを報じた際の情報提供者の1人でした。このプログラムは電子通信情報を精査して国家の安全保障を脅かすものがないかさぐるというものです。「あの9.11が私の仕事の初日でした。9.11から間もなくして、私はパンドラの箱を開けたようにかなりの規模の政府の不法と不正を目の当たりにすることになりました」とドレイクは言います。彼は「トレイルブレイザー」は、競合プログラムである「シン・スレッド(Thin Thread)」と比べて非効率的であり、さらにアメリカ人のプライバシーの権利を侵害していると主張しました。その結果、ドレイクは「スパイ防止法」違反容疑で訴追され、禁固35年の罪に問われました。しかし実際の起訴状にはスパイ行為の具体的な指摘はなく、機密文書を自宅地下室に保管していたというものでした。しかもそれが機密文書だったことも知らなかった、と彼は言っています。

    司法省にとって実に恥ずかしいことに、彼の裁判は、軽犯罪を認めるかわりに他の罪状はすべて取り下げるという司法取引により昨年2011年に結審しました。当時司法省の首席報道官だったマシュー・ミラーは今になってドレイクの訴追についての態度を翻し、この件について「起訴したのは思慮がなく軽率」だったかもしれないと話しています。

    これらはすべてオバマ政権による前例のない内部告発者攻撃の中で起きています。「内部告発者への前例のない攻撃は、ジャーナリストたちを狙い撃ちににするためのひどい前例を作る手段で、国家秘密保護法制定のための裏工作なんです。米国ではそんな法律なしで200年間やってこれたのに今ではそれが内部告発者に向けて行われていると思います」と、ドレイクの弁護士で司法省の倫理顧問も務めたことがあるジェスリン・ラダックは言います。彼女は現在、米国の主導的内部告発組織である「政府の説明責任プロジェクト(The Government Accountability Project)」で「国家安全保障と人権」部門の責任者をしています。彼女の新著のタイトルはTRAITOR: The Whistleblower and the "American Taliban”(『裏切り者:内部告発者と「アメリカのタリバン」』)です。

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