それでもあなたはLINEを使い続けますか? バグによる意図しない電話帳アップロードに垣間見えるLINEの姿勢

 昨日(2012/11/26)、LINEのAndroid版アプリがアップデートされたのですが、利用者がプライバシーに配慮して、「友だち自動追加」をオフにしているにもかかわらず、勝手に友だちに追加されるという被害が続発しています。togetterでは、そのよな被害者のツイートがまとめられています。

【注意】LINEが勝手に電話帳を同期して友達を増やすバグアップデートで被害者多数の模様 - Togetter



 いくつか抽出してみます。
 




 

 これはひどいですね。
 
 皆さん、意図的に「友だち自動追加」をオフにしていたのに、勝手に追加されている模様です。
 
 Google Playのユーザーレビューにも同様のコメントが寄せられています。



 これにより、あまり親しくない人や何らかの形で電話番号を入手した人にアカウントを特定されてしまうことになります。過去にはこれが元でスパム被害も発生しています。

 
 今回のケースはどうやらアップデートにともなうバグのようですが、以前こちらの記事で書いたように、意図的に電話帳のデータを盗み出すような悪質なアプリでなくても、電話帳にアクセスできるようなアプリにバグがあると、やはり被害につながってしまいます。
 
アドレス帳をアップロードして76万人分の個人情報を漏洩させた『全国電話帳』事件からあらためて『LINE』を考える : I believe in technology
作者本人の言葉でしかないのでこの話が本当に事実なのかどうは不明ですが(作者のツイートを見ると意図的ともとれます)、プログラムの設定ミスでも情報は漏れます。


 今回のケースは、意図して行なってのではなく、バグだと思われます。しかし、個人情報に配慮するのであれば、このようなバグが生じないように気をつけて開発し、十分なテストを行うはずです。
 
 しかし、結果としてこのようなバグを含んだ状態でリリースしたということは、開発時点やテスト時点での個人情報に対する配慮が足りないと言わざるを得ません。
 
 
 また、「友だち自動追加」という名称にごまかされてしまいそうですが、これは実質、電話帳の情報をLINEが管理しているサーバにアップロードしたということにほかなりません。このことは、LINE公式ブログの「バージョンアップに関するお詫び」からも明らかです。

【Android先行公開】FacebookアカウントでLINEの登録・引継ができるよう認証・連携機能を搭載 : LINE公式ブログ
【上記バージョンアップに関するお詫び】
上記Android版LINEの最新版にて、電話番号認証での登録をしたユーザーの一部で、「友だち自動追加」のオフが正常に機能しない状況が発生していました。現在、バージョンアップ後に自動追加された友だちは全て友だち一覧から削除され、LINEのサーバー上からもアドレス帳情報は削除されています。ご不便をおかけし申し訳ありませんでした。
(2012年11月27日 00:25追記)



 「ご不便をおかけして」ということですが、利便性の問題ではないんですよね。利用者の意図に反し、勝手に電話帳に含まれる個人情報を利用者の端末から抜き出し、サーバにアップロードし、一時的とはいえ保存していたことが問題なのです。
 
 LINE側の発表からはこのことを重視しているとは思えません。このあたりから個人情報に対する扱いの軽さが見受けられます。

 本件は、利便性の問題ではなく、プライバシーの問題なのです。
 
 事故後の対応の早さは評価できます。しかし、LINE側がこのような姿勢でいる限り、今後もこのような事件はなくならないでしょう。
 

 あなたはそれでもLINEを使い続けますか?






関連記事
大人気LINEの落とし穴〜私がLINEを使わない理由 : I believe in technology
そもそも、「アドレス帳内の電話番号、携帯用メールアドレス」といった個人情報の持ち主はその人本人です。アドレス帳の持ち主ではありません。


関連記事
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...


               

トラックバック:


<<前の記事へ 次の記事へ>>