政府は1日、福島の復興事業を統括する「福島復興再生総局」を発足させた。除染や避難指示区域の再編などを所管省庁が別々に進める従来の体制を見直し、意思決定を一元化する。復興庁の幹部職員も常駐させる。現場主義を徹底し、縦割り行政の弊害を解消する狙いだ。ただ地元自治体は様子見の姿勢を崩しておらず、実際に復興を加速できるかが今後問われそうだ。
福島復興再生総局は福島復興局、福島環境再生事務所、原子力災害現地対策本部の3組織を束ねる。これまではそれぞれを所管する復興庁、環境省、内閣府が別々に意思決定をしてきた。総局のトップには根本匠復興相が就き、事務局長には1日付で復興庁事務次官を退いた峰久幸義内閣官房参与を充てる。
安倍政権は「福島・東京2本社体制」を掲げる。根本復興相は1日の閣議後会見で「福島復興の体制が抜本的に見直されて確立した」と表明。「私がリードして現場主義に立って縦割りを打破していく」と強調した。
除染やインフラ復旧、避難指示区域の見直しなど、福島が抱える課題は相互に密接に関連している。例えば、避難指示解除の見通し時期を決める場合でも、インフラ整備の工程表や除染の進捗状況を踏まえて判断する必要がある。
そのため、従来は被災自治体との協議の中で、他省庁が所管する事項については一旦持ち帰って協議せざるを得ないケースも多かったという。今回の総局発足にはこうした停滞を無くし、現場レベルで意思決定を一元化する狙いがある。
ただこれまで国の縦割り行政に悩まされてきた福島県内の首長は、評価にはまだ慎重だ。いわき市の渡辺敬夫市長は「今の段階ではまだ希望的観測」と話す。南相馬市の桜井勝延市長も「スローガン倒れに終わらなければいいが」と懸念する。
想定通りに意思決定が速まり、山積する課題の解決が進むかはまだ不透明だ。根本復興相は「どんな仕事でもまずは体制を整えることが必要」と話すが、組織論にとどまらず、実効的な運用をできるかが試される。
根本匠、峰久幸義、渡辺敬夫、桜井勝延
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