東日本大震災:がれき試験焼却、富山市が結果報告 「安全性、確認できた」 放射線量変化せず /富山
毎日新聞 2013年01月26日 地方版
東日本大震災で発生した震災がれきの広域処理を巡って、富山市は25日、先月行われた試験焼却の結果を最終処分場がある同市山本地区の住民たちに報告した。市側は試験焼却前後の処分場内や近隣地区内の放射線量を比較したデータを示し「外部の環境に影響を与えるものではなく、安全性が確認できた」と説明したという。
山本公民館であった報告会には住民27人が参加。市の資料によると、試験焼却前の処分場内4カ所の空間線量は毎時0・08〜0・10マイクロシーベルト。埋め立て1週間後は同0・10〜0・12マイクロシーベルトと、ほとんど変化がなかった。また、近隣の公民館など6カ所の試験焼却前の線量は同0・06〜0・08マイクロシーベルトで、試験後の週1回の測定値も同じだった。放流水や地下水からも放射性物質は検出されなかったという。
報告会後、市環境センターの北野勤所長は報道各社の取材に対し、本格焼却の見通しについて住民から質問されたと明かした上で「今回は試験焼却の結果の報告会。(質問には)答えていない」と話した。住民グループ「池多の子どもの未来を守る会」代表の中山郁子さん(44)は「試験焼却以外の質問はしないように言われた。市民と向き合っていない、一方通行の報告だけで、(行政への)不信が高まった」と話した。【大森治幸】