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コラム・読み物 陰謀論  フリーメイソン 
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フリーメイソンの正体は!?




フリーメイソン! 誰でもその名前を一度ぐらいは聞いたことがあるでしょう。そう、秘密結社として知られています。このフリーメイソンは、「世界を裏で支配している」みたいな陰謀論の主人公として語られることが多いのですが……それはどの程度の信ぴょう性のある話なのでしょうか? 『と学会』会員で日本最強のデバンカー皆神龍太郎さんにお話を伺いました。

■「フリーメイソンリー」が組織、「フリーメイソン」はそのメンバー

――陰謀論で必ず名前の出てくる「フリーメイソン」ですが、そもそもフリーメイソンってどんな組織なんですか?

皆神さん 正確に言えば、呼び方がすでに間違っています(笑)。「フリーメイソン」というのは組織に属する「人」を指し、「組織」としては「フリーメイソンリー」と呼びます。まぁ、細かいことなのでどうでもいいんですけど。

――知りませんでした。この組織はいつぐらいにできたのでしょうか?

皆神さん 「フリーメイソンリー」は元々は中世のスコットランドで生まれたといわれています。一般的にはゴシック建築の教会を建てていた職人の団体がルーツではないかといわれています。

――元々は職人たちの集まりだったんですか?

皆神さん 当時は、職人たちが入っている互助会というか、実務を助けるための組織でした。それで各地に「ロッジ」と呼ばれるメイソンの拠点が造られました。

――ロッジというのは何ですか?

皆神さん 建設業者というのは現場仕事ですよね。お城建てたり、教会造ったりする場合に、建築現場に作業拠点がいるわけです。その作業用の仮小屋をロッジと呼んでいました。フリーメイソンリーのロッジは各国に建設されました。仕事のあるところには、ロッジがないと困りますので。

■石工たちとは関係ない「フリーメイソンリー」が出現する!

皆神さん 17世紀以降には、石工じゃない有力者や地元の名士といった貴族などを勧誘して受け入れるようになります。その人たちはいわば「名誉会員」ということで「公認メイソン」と呼ばれました。徐々に職能組合とは関係のないフリーメイソンリーが活動するようになったということです。

――なるほど。

皆神さん 石工や建設業者といった「実践的フリーメイソンリー」ではない、近代的な(思弁的な)フリーメイソンリーは17世紀の中ごろ以降、イギリスで生まれたといわれています。というのは、当時のイギリスでは「居酒屋」や「喫茶店」の文化がはやっていたのです。酒場で酒をかっくらいながら、みんなでワイワイと政治談義などを楽しむという雰囲気が醸成されていたんです。さらにその上に、当時も「オカルトブーム」が起こっていたんですね。

――へえ。楽しそうですね。

皆神さん そんな雰囲気の中で、秘密結社ごっこといいますか、メーソンリーの「ロッジごっこ」を楽しんだりする集団が現れてきたようです。こうして1717年6月24日に、今までの実践的フリーメイソンリーとは関係のない、「実践的でない」フリーメイソンリーが生まれました、これを「思弁的フリーメイソンリー」と呼んでいます。

――その日に何があったのですか?

皆神さん 当時ロンドンにあった4つのロッジが一堂に会し、世界で初めて「グランド・ロッジ」が結成されたんです。グランド・ロッジは大ロッジとも呼ばれるフリーメイソンリーの本部です。各国、各州ごとに設置されています。日本にもありますよ。

――記録がちゃんと残っているのがすごいですね。

皆神さん その4つのロッジの名前が面白くて、「ガチョウと焼き網」「王冠」「<リンゴの樹>亭」「<大杯とブドウ>亭」といいます。すべて当時の居酒屋の名前です(笑)。

――ええっ?

皆神さん まあ、ですので、居酒屋に集まった人たちが「面白いから」と始めたものじゃなかったんですかねえ(笑)。

■フリーメイソンリーは陰謀の主役なのか!?

――ここがみんな知りたいところだと思いますが、世界の裏から本当に陰謀を巡らせているのでしょうか?

皆神さん 巡らせてなんていないでしょう(笑)。そもそもフリーメイソンには、ロッジ内では「商売の話」や「政治の話」をしてはいけないという鉄則があるんです。この2つに関係しない陰謀ってあり得ないですし。

――あ、そんな決まりがあるんですか。

皆神さん ええ、メイソンの鉄則なんです。

――では、そもそもフリーメイソンって何をしているんですか?

皆神さん 必ず聞かれる質問なんですが、その正確な説明は難しいです(笑)。というのは「ロータリークラブ」とか「ライオンズクラブ」って一体何やっているんですか、って聞かれるのと同じようなものですから。

「互助会」というか、入会するともれなく秘密の握手が付いてくる「ロータリークラブ」みたいなものですよ。「ボーイスカウト」とかを思い浮かべてもらってもいいかもしれません。ボランティア活動なども一生懸命やってるみたいですよ。

――陰謀論からほど遠いようですが(笑)。

皆神さん だから陰謀なんか巡らせていないんだってば(笑)。実際に、メイソンの会員と会ってみれば、そんな陰謀を巡らすような人々ではないことすぐ分かりますよ。

――ならば、なぜ陰謀組織っていわれるんですか?

皆神さん 面白くないからでしょ(笑)。やっぱり世界を裏で動かす陰謀組織があってほしいんですよ。

■フリーメイソンが近代を用意した!?

皆神さん 私は、フリーメイソンリーは次のような近似式で表せると思っています。

(ヤクザ + 新興宗教 - 犯罪 - 信仰) ÷ 2 = フリーメイソンリー

ヤクザというのは「疑似血縁関係」の団体という意味です。「新興宗教」というのは「皆何らかの神を信じており、仲間意識に基づく助け合いの結束がある」といったような意味です。「犯罪」を引いているのはもちろん犯罪行為はしないし、また「信仰」も引いているのは、信教の自由を認めているからです。

――キリスト教と関係はないんですか?

皆神さん 面白いのは、フリーメイソンになるには「神を信じていること」という条件はあるんです。でも、それはどんな神でもいいんです。キリスト教でもイスラム教でも、ゾロアスター教だろうと、別に構わない。そしてロッジ内では固有の宗教について語ることも禁止されてます。

――それは興味深いですね。

皆神さん つまり「あなたがどんな神を信じていても仲間。でもメンバー同士では宗教の話はしません」ということです。これは非常に良い姿勢だと思いませんか?

例えば、キリスト教、特にカソリックの教えだけが絶対視された中世のいわゆる暗黒時代では、ガリレオの「それでも地球は回っている……」という言葉を出すまでもなく、科学的進歩が宗教によって制限されるということがあったわけです。

ですが、メイソンであればロッジ内で「政治」「商売」「宗教」に縛られずに、科学や哲学などについては自由に語ることができました。当時の科学者の中にフリーメイソンが多かったのは決して偶然ではないと思います。

――フリーメイソンの科学者は多いのですか?

皆神さん 例えばペニシリンの発見者アレクサンダー・フレミング(1881-1955年)や種痘の発明者エドワード・ジェンナー(1749-1823年)、雷の実験で有名なベンジャミン・フランクリン(1706-1790年)など、著名なメイソンを挙げるときりがありません。

――著名人が多いことが「陰謀を企んでいる」といわれるゆえんかもしれませんね。

皆神さん 宗教によって価値観を抑え付けられていた旧体制に飽き飽きし、もっと自由な新世界の到来を望んでいた人々がメイソンへと殺到したわけですから、当時の著名人が多かったのは当然のことと思います。「近代を用意したのはフリーメイソン」という言い方も、あながち間違っていないと思います。

■「イルミナティー」はフリーメイソンリーの上部組織なのか!?

――なんでも「イルミナティー」という組織が、フリーメイソンリーの上部組織で、このイルミナティーこそが世界を支配しているなんていわれますが……。

皆神さん それはもうむちゃくちゃです。そもそもイルミナティーという組織はもうありません(笑)。イルミナティーは正式名称を『バイエルン啓明結社』といって、アダム・ヴァイスハウプトという教授が1776年にバイエルン王国で結成した組織です。バイエルンというのは、非常に保守的な土地柄で「秘密結社」の活動を許さなかった。当時の君主のカール・テーオドール選帝侯が解散命令を出し、1784年から1785年ごろにイルミナティーの歴史はおしまいになりました(笑)。

――ということは10年も活動していないんですか?

皆神さん そういうことですね(笑)。なので、なくなった組織が世界を支配していることはあり得ません。

――解散命令の後、密かに生き延びたってことはないのでしょうか?

皆神さん 可能性はほぼないですね。

――すぐに歴史の中に消えてしまった組織なのになぜこんなに有名なのでしょうか?

皆神さん 陰謀論に利用しやすいからでしょう。バイエルン啓明結社を創設したヴァイスハウプト教授は「人間悪魔」とか「元祖・無政府主義者」なんていうありがたくない異名をたくさんつけられた法学者でしたから。

――それは事実だったんですか?

皆神さん デマでしょう(笑)。ヴァイスハウプト教授自身の思想はフランスの啓蒙思想とほぼ同じと考えていいです。でも、彼をそう呼んでおとしめた人たちがいたわけです。オーギュスタン・バリュエル神父、ジョン・ロビソン教授といった人らがいてですね、この人たちが「フランス革命はイルミナティーの陰謀によって起こった」などという説を著作に書いて広めたんですよ。もちろん何の裏付けもないし、事実関係も間違いだらけの本でした。

――その本は広く読まれたんでしょうか?

皆神さん それが大ヒットしたんですよ(笑)。昔も今も陰謀論を好きな人、信じたい人がたくさんいるわけです。フランス革命を1787年から開始されたとすれば、バイエルン啓明結社はその2年前には解散しているわけです。ですから、革命の指導なんてできたわけがないんです。

■日本のグランド・ロッジは東京タワーの隣にあります

――前述のグランド・ロッジは日本にもあるんでしょうか。

皆神さん ええ。日本にも「日本本部」たる日本グランド・ロッジがあります。

――どこにあるんですか。それも秘密ですか。

皆神さん いえいえ。東京タワーのすぐ隣にあります。行くとすぐ分かりますよ。フリーメイソンリーのシンボルである「コンパスと直角定規」の入ったマークが建っていますから。

――中に入れるでしょうか?

皆神さん 難しいでしょう。基本は、フリーメイソンの会員しか入れませんから。

――残念ですね。

皆神さん でも、私の秘密の写真コレクションを見せてあげましょう。これ東京ロッジの中の写真ですよ。

――おお。広いですねえ。このフリーメイソンTシャツって売っているんですか。欲しいなあ、これ。

皆神さん 欲しいでしょ? でもロッジ内でも、会員向けにしか売ってないんですよ。このお土産売り場だけでも一般に開放すればいいのにと思います。グッズとか売れると思いますけどねえ。

フリーメイソンリーは「謎の組織」ではないようです。欧米では、多くの研究者がベールをどんどん剥(は)いでいくので、秘密結社も秘密のままではいられないとのこと。ただ、ありもしない陰謀論の主役に担ぎ上げられるのはイヤでしょうね(笑)。

(高橋モータース@dcp)

もっとフリーメイソンについて詳しく知りたい人に!

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