NYタイムズ“中国からサイバー攻撃”1月31日 18時2分
アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは、去年10月に中国の温家宝首相の親族がばく大な資産を蓄えていると伝えたころから、中国からのサイバー攻撃を受けてすべての従業員のパスワードが抜き取られたと伝え、「温首相を巡る記事の取材源を探ろうとしたもので、中国の軍が関与している可能性がある」と主張しています。
ニューヨーク・タイムズが30日、ウェブサイトに掲載した記事によりますと、去年10月から今月まで、中国を発信源とするサイバー攻撃を受け、一時、社内のネットワークに不正に侵入されました。
そして、すべての従業員のパスワードが抜き取られたほか、53人のパソコンが不正にアクセスされたということです。
サイバー攻撃が始まったのは、ニューヨーク・タイムズが「中国の温家宝首相の親族が1000億円以上に上るばく大な資産を蓄えている」という記事をまとめる作業をしていた時期で、とりわけ、記事を書いた上海支局長のメールのやり取りが集中的に狙われたということです。
ニューヨーク・タイムズは「取材源を探るのが主な狙いだったようだが、取材に関わる情報は漏えいしていない」と説明しています。
また、温首相の記事を掲載する前、中国当局から「代償を払うことになる」と警告されていたことも明らかにし、サイバー攻撃について、「記事に対する報復で、中国の軍が関わっている可能性がある」と主張しています。
中国報道官 強く反発
ニューヨーク・タイムズの報道について、中国外務省の洪磊報道官は、「はっきりとした証拠が無いまま結論を出すのは、独断的なやり方だ」と述べ、中国は、ハッカー攻撃に関わっていないと強く反発しました。
そのうえで洪報道官は、「中国は法律によって、ハッカー攻撃を明確に禁止している。関係方面が、この問題で無責任な態度をとらないよう望む」と述べ、ニューヨーク・タイムズを非難しました。
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