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政治
バラバラ野党 国会運営の足かせにも 民主、維新が「野党第一党」めぐる主導権争いで
2013.2.1 22:51
[国会]
本格化した国会論戦の舞台裏で今、ある異変が起こっている。本会議や委員会の議事を事前に調整する与野党の「筆頭理事協議」が機能しないケースが出始めているのだ。背景にあるのは、昨年の衆院選の結果、勢力が拮抗(きっこう)した民主党と日本維新の会による主導権争い。このままでは、国会運営にも支障を来しかねない。
「筆頭間で決めた話に従えない場面があるかもしれない」。1月31日の野党国対委員長会談で、維新の小沢鋭仁国対委員長がこう宣言すると、他党の国対委員長は、これまでの「慣例」を盾に、いっせいに異議を唱えた。すると小沢氏は、民主党と維新の理事が一緒に与党の理事と交渉する新たな枠組みを逆提案。会談は物別れに終わった。
これまでの慣例では、野党第一党から筆頭理事を選び、与党の筆頭理事と事前に扱う法案や議事の進行を打ち合わせることになっている。だが、先の衆院選で民主党が56議席(赤松広隆副議長を除く)に大幅に後退したのに対し、維新は54議席に躍進。かろうじて「野党第一党」の座を守った民主党の立場は微妙で、そこに維新が付け入ろうとする構図ができつつある。
すでに、具体的な影響も出ている。原子力問題調査特別委員会の新設を決めた1月24日の衆院議院運営委員会理事会。自民、民主両党の筆頭間では事前に同日の設置に合意していたが、維新の理事が「聞いていない」と反発。約2時間の中断を経て維新も何とか同意したが、佐田玄一郎委員長(自民)は、「野党でまとまってもらわないと困る。今度こんなことが起きたら委員長として注意する」との構えだ。
今国会では日銀総裁の同意人事など注目の案件もめじろ押しだが、野党の足並みの乱れが続けば、「決められない国会」のきっかけとなる可能性もある。(酒井充)
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