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柔道の内柴元選手に懲役5年の判決
2月1日 13時36分

柔道の内柴元選手に懲役5年の判決
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オリンピックの柔道男子の金メダリスト、内柴正人元選手が酒に酔った大学の女子柔道部員に暴行した罪に問われた事件の裁判で、東京地方裁判所は「輝かしい実績を持ち、日本の柔道界を指導する立場にいながら女子部員を深く傷つけた責任は重い」と指摘して無罪の主張を退け、求刑と同じ懲役5年の実刑を言い渡しました。

オリンピックのアテネと北京の2大会連続で金メダルを獲得した元柔道選手の内柴正人被告(34)は、おととし、客員教授を務めていた熊本県内の大学の10代の女子柔道部員が酒に酔って眠っている間に暴行した罪に問われました。
裁判で内柴元選手は「乱暴したのではなく同意があった」と無罪を主張していました。
判決で東京地方裁判所の鬼澤友直裁判長は、「女子部員がほとんど意識を失った状態だったことは明らかで、被告の供述は全く信用できない」と無罪の主張を退けました。
そのうえで、「オリンピック2連覇という輝かしい実績を持ち、今後の日本の柔道界を指導していくことが期待される立場でありながら、女子部員を深く傷つけた責任は重い」と指摘し、検察の求刑と同じ懲役5年の実刑を言い渡しました。
法廷で内柴元選手は両手で顔を覆ったり、時折、頭を動かしたりして判決理由を聞いていましたが、最後に裁判長が控訴について説明すると、はっきりした口調で「させてもらいます」と述べ、控訴する考えを明らかにしました。

内柴元選手“僕は無実です”

判決のあと、内柴元選手は弁護士を通じて、「まだ、僕には頑張る気持ちがあります。僕は無実です」というコメントを出しました。
弁護団の森直也弁護士は、「本人は無罪だと思っていたため大変ショックを受けており、結果を受け止められない様子だった。判決は極めて情緒的な内容で、控訴して不当性を訴えたい」と話しました。

女子部員“控訴はしないで罪を認めて”

判決のあと、女子部員の弁護士が会見して本人の気持ちについて、「正しい判断をしていただき、本当に感謝しています。ただ、私が受けた苦しみが完全に癒えることはありません。せめて控訴はしないで罪を認めてほしい」というコメントを読み上げました。
また弁護士は、今回の事件について「女子柔道部の狭い社会の人間関係の中で世間とは違う常識がまかり通っていると感じた。今後の柔道界のためにも第三者がチェックすることが必要ではないか」と話していました。

全柔連“早急に懲罰委員会を設置”

今回の判決を受けて全日本柔道連盟は、「すでに柔道家としての活動を禁止する会員登録停止の処分を行っていますが、今回の判決を受けて早急に懲罰委員会を設置して新たな処分を決定します。再びこのようなことが起こらないよう指導者の育成・養成に全力で取り組んでいく所存です」というコメントを出しました。

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