「手かざし」セミナー各地で、脱税容疑のアースハート

アースハートの関連施設から押収物を運び出す係官ら（３１日午後４時５９分、福岡県篠栗町で）

　宗教法人を隠れみのにして脱税したとして、３１日、法人税法違反などの容疑で摘発された福岡県篠栗町のセミナー企画会社「アースハート」。同社を巡っては、９都県の元会員ら４７人が約７１００万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こしている。原告の多くは病気に苦しむ患者たちで、捜査の行方を注視している。

　関係者によると、前社長野中邦子容疑者（６５）は２６日に福岡市内で開かれた講演会で、約３００人を前に「がんや糖尿病、腰痛など６０５０人の病気が治りました」「ハンドパワーは宗教ではありません。私は雲を消せます。まるで魔法使いの世界です」などと語り、会員になるよう呼びかけていたという。

　会員たちの間では、野中容疑者は「先生」と呼ばれ、全国各地で講演会やセミナーを開催。野中容疑者が肩や背中に両手をかざしただけで「痛みを取る」と説明し、「失明したが、視力が戻った」などと、会員たちの“体験”も披露された。