対馬の仏像盗難、犯行の手口は

 長崎県対馬市で仏像や仏教経典を盗んだ韓国の窃盗グループは昨年8月、大金を稼ぐ目的で、主犯格の男を中心に日本での犯行を計画した。実行犯の仲間3人が逃走中のため詳しい犯行の手口は分かっていないが、盗難の状況から、日本の文化財管理の弱点を見定め、現場を何度か下見した上で犯行に及んだとみられる。

 窃盗犯らが盗み出した「観世音菩薩(ぼさつ)座像」と仏教経典「大蔵経」は、いずれも居住者のいない寺社に保管されていた。日本では文化財をそれぞれの寺や神社で保管し、盗難の危険にさらされるケースが多いが、犯人たちは事前の調査で無人の寺社に目を付けた可能性が高い。

 観世音菩薩座像を保管していた観音寺は、本堂の入り口と窓を施錠していたが、普段から本堂付近に鍵を隠していたという。犯人たちはこの鍵で中に入っており、時間をかけて現場を観察したことをうかがわせる。

 多久頭魂神社から大蔵経を盗む際には、収納庫の屋根瓦をはがして直径数十センチの穴を二つ開け、内部に侵入した。近くには犯人たちが使ったとみられるはしごが捨てられていた。犯人たちは盗んだ大蔵経を神社の近くの山に捨てたと供述しているが、警察は隠した可能性が高いとみて捜査している。

 また「銅造如来立像」を盗んだ海神神社を含め、3カ所の犯行現場にはいずれも侵入者を感知すると警報ベルが鳴る防犯センサーが設置されていたが、故障で機能しなかった。犯人たちが何らかの方法で事前に故障を知った可能性もある。

大田= 禹正植(ウ・ジョンシク)記者
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