大韓航空が3月末から10月下旬まで長崎−ソウル線を一時運休することが30日、分かった。竹島問題で日本人利用客が減った上、今後さらに円安が追い打ちをかけると判断した。韓国人客は堅調で平均搭乗率が6割を超えていただけに、県は戸惑っている。
長崎−ソウル線は、2011年2〜3月にも円高に伴う韓国人客の利用低迷を理由に運休し、東日本大震災の影響で同12月まで再開を延期した経緯がある。
先週報告を受けた県新幹線・総合交通対策課によると、李明博(イミョンバク)大統領が竹島に上陸した昨年8月以降、日本人客が多くの路線で減少。同社がソウルとの間で運航する九州4路線(福岡、長崎、大分、鹿児島)のうち、長崎だけを運休し福岡の搭乗率を高める。運休期間は夏季ダイヤの3月31日〜10月27日。
本県と韓国を結ぶ唯一の定期空路で週2往復(月、土曜)運航している。昨年の利用は約2万人(日本人約9500人、韓国人約1万人、その他約500人)。本年度の平均搭乗率63・7%は「他路線と比べても低くない」(同課)。28日、訪韓した中村法道知事は同社に早期再開を要望。同社専務は「廃止はしない。日韓関係が良くなれば早急に再開できるよう努力する」と述べたという。
今年は就航25周年。県は10年ぶりにソウル事務所を開設し観光誘客に弾みを付けるはずが、出はなをくじかれる格好となったが、同課は「つながりを維持するためチャーターによるツアーの企画を旅行会社に働き掛けたい」としている。