韓国KBSによると、核実験場では坑道を最後の行程が完了し、また周辺での観測機器やケーブルなどの設置も終わったとのこと。今日明日ということはないと思いますが、1週間後くらいから2月中には実験やりそうです。
では、どういう実験なのか?ということで、下記事を引き合いに考えてみます。
▽北朝鮮「高レベル核実験」 広島原爆級か(聯合ニュース)
(以下、引用は赤字)
北朝鮮は2006年と2009年に核実験を実施した。回を追うごとに爆発規模が高まっているため、3回目の核実験の規模はこれまでを上回るとの観測が出ている。 ↑うーん、どうでしょう? 規模を大きくする必然性はあまりないですね。しかも、プルトニウムは最少量使用爆弾でも推定6~10発分しかないですから、ここでいっきに使用するかは疑問に思います。
核弾頭の小型化に関する実験を示唆したもの ↑普通に考えたら、そうでしょう。次に必ず必要になるステップです。
複数の坑道で同時多発的に核実験を実施する意図を含んでいるのではないかとの見方もある。 ↑これも、軍事的な必要性があまりないことと、核物質ストックの問題で、可能性はあまりないと思いますね。
消息筋は(中略)高濃縮ウランを使用する可能性が高いと予測した。 ↑KBSでも、プルトニウムではなく濃縮ウランを使うだろうとの見方で報じていました。
可能性は排除できませんが、これも疑問はあります。せっかくイランのように「平和利用の発電用」とのタテマエで軽水炉+ウラン濃縮を進めているのに、その偽装をまだ始まったばかりの現時点で捨てる気なのか?という疑問です。もしも私が北朝鮮の独裁者だったなら、偽装をこのままにして、その間にせっせと高濃縮ウラン大量生産システムの構築を目指しますが。
ただし、仮に北朝鮮がすでに高濃縮ウランを保有していて、その実験に成功すれば、これは小型化が容易ですから、やはり核ミサイル完成というフェースに入ります。
それと、韓国の報道でも「平和条約の直接交渉にアメリカを引きずり出すのが最終的な狙い」との見方が多いですが、違うと思います。過去の経緯は、北朝鮮は核ミサイル開発に一貫して邁進してきたこと。それがアメリカに探知され、恫喝を受けた場合に、交渉のふりをして時間稼ぎをすること、を示しています。
核ミサイルを配備⇒平和条約、の順番であって、なにがなんでも一刻も早く核ミサイルを、ということだと思います。
ところで、核実験を宣言したのに、ニュース報道が少ないですね(今朝のTBS『朝ズバ』にはコメント提供しました。放送されたかどうかは未確認)。テポドンのように日本の安全保障にあまり関係のない問題より、こちらのほうが死活的に重要なのですが。
私も機会があるたびにメディアの方にもいつもそう力説していて、皆さんそれはわかっていただけるのですが、どうしても国民的な関心事として「テポドン>核」なのですね。しかたないこと、なのでしょうか。
- 2013/01/25(金) 09:21:47|
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