大阪市:天王寺の美術館廃止を検討…「中之島」に統合

毎日新聞 2013年01月29日 14時06分(最終更新 01月29日 14時06分)

 大阪市の橋下徹市長は29日、老朽化した市立美術館(同市天王寺区)を廃止し、北区中之島地区に建設予定の市立近代美術館に統合して整備を検討するよう、担当部局に指示したことを明らかにした。市は13年度予算案に調査費などを計上する方針で、近く幹部会議で方針を決定する。

 市立美術館は天王寺公園内にあり、旧財閥・住友家から庭園と共に寄贈された土地を活用し、1936年に開館した。建物は地上2階、地下2階の鉄筋コンクリート造り。築後77年が経過して老朽化が問題になっている。

 同美術館は、日本美術・東洋美術を中心に約8000点を収蔵、特に中国の石仏コレクションは国内随一とされ、11年には約57万人が来館した集客施設だ。重厚な外観は公園のランドマーク的存在として親しまれている。廃館後の建物や土地の利用計画も大きな課題になる。

 近代美術館は、市が98年に基本計画を策定。用地約1.6ヘクタールを国から約160億円で購入し、モディリアーニの絵画「髪をほどいた横たわる裸婦」など近現代の約4500点をそろえる。建物は当初計画を縮小し、122億円で整備する予定だった。しかし、橋下市長が11年12月、「しょぼい美術館なんかできても大阪の力は高まらない」と見直しを指示。今年3月までに建設を決めなければ、用地購入時の取り決めに基づき国に約48億円の違約金を支払わなければならないため、計画策定が急務となっている。

 橋下市長は、この日記者団に「中之島と天王寺に二つを併存させるわけにはいかない。違約金の問題があるので、やるのかやらないのか一定の方向性を出さないといけない。(部局に)選択肢を作ってもらう」と話した。

 美術館を巡っては、大阪府・市の観光戦略を考える「都市魅力戦略会議」(座長=橋爪紳也・大阪府立大教授)が昨年6月、巨大な美術館の屋上に8〜10の小型美術館やコンサートホールを配置する「中之島ミュージアムアイランド構想」を発表。橋下市長は府立中之島図書館の美術館への転用案を、松井一郎知事は府の本庁舎の転用案を示しており、複数の構想が乱立している。【林由紀子】

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