３０日午後４時半ごろ、前橋市文京町の大型ショッピングセンター（ＳＣ）のＡＴＭ（現金自動受払機）コーナーで引き出して置き忘れた現金４万円がなくなっていると同市の自営業の女性（５５）が警察に届けた。前橋東署が防犯カメラに映っていた同市上小出町３、警備員、稲角智則容疑者（５５）に事情を聴いたところ、置き忘れた現金の着服を認めたため占有離脱物横領容疑で逮捕した。

　同署などによると、稲角容疑者は、県警が昨年１２月から３月まで高崎市内の民間警備会社に委託して発足させた、振り込め詐欺の被害防止などにあたるＡＴＭパトロール隊１２人の一人。当日は同署で巡回区域を確認したあと、各地を巡り午後３時から同ＳＣ内で同僚１人と手分けしてＡＴＭ機のそばで警戒にあたっていた。

　置き忘れに気付いた女性が約３０分後に戻ったが稲角容疑者は「知らない」と答えていたという。調べに対して「滞納した家賃の支払いに充てたかった」と話しているという。

　県警安全安心推進課は「警備会社に対して立ち入り調査し、再発防止を指導していきたい」としている。【金沢衛】