◇目標は利他の振る舞いと行動。賢くなること。

中途半端な能力で有頂天になる人がいる。
けれど、仕事というのは与えられている仕事の他にも沢山の仕事がある。
何かができたところで有頂天になってはいけない。
それは得意な仕事を任されているからできるのであって、他の仕事になったら誰もが“からっきし”になるものだ。
そもそも能力のある人など、世の中に掃いて捨てるほどいる。
競争は激しい。先輩を追い抜いても、今度は後輩に追い抜かれる。
頑張っても、そう簡単に成功し続けることはできない。
では一体、どういう人が出る杭にならない人なのだろう。
以下にお話するのは、私が30歳頃に聞いた話である。
当時の専務(会社のNo.2)の話である。
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社長と一緒にあなたが展示会に行ったとしよう。
そこに、わが社にとって有益な商品があった。そして、交渉の結果、安く仕入れられることになった。社長とあなたは大喜びだ。
その翌日、朝礼で話をすることになった。
最後が社長の話である。先の順番のあなたはどんな話をするか。
多くの人が、昨日の展示会の話をする。でも、私はしないよ。
何故なら、それは社長が話したい内容だから。
その社長の話を私が言ってしまうようではNo.2は務まらない。
だから私は、他の話題を話す。
社長より目立ってはいけないからね。
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これが専務にまでなった人から聞いた話である。
ここまで気配りをするのかと驚きつつ聞いた。
世の中は利害で動いている。上司、同僚、部下、お客様、その他協力会社の人たちなどで成り立っている。その行為が関係者にプラスに動くなら評価され、マイナスに動くなら不利益を被ることになる。
周囲と上手に調和し、共存共栄しなければならない。その配慮は、下にだけするものではない。上司に対しても同じである。
「上司たるもの部下の意見に耳を傾け、受け止める度量がなくてはならぬ」と思い、「うちの上司はだめ!」と烙印を押してはならない。
もし、出来の悪い上司がいるなら、その支えにあなた自身がなることだ。
人は完全無欠ではない。得意もあれば不得意もある。むしろ、100点満点から人を見ているようでは世の中を円滑に渡ることはできない。
私は以前から申し上げているように60点合格主義である。
60点以上なら立派なものだ。それで十分だ。
逆の意味で言えば、40点のマイナスがあっても良いという考えだ。
そのマイナスを捕まえて、鬼の首を取ったように批判しては実もフタもない。
マイナスは、関係者がフォローすべきことである。
中には、80点、90点の人もいる。でもそれは、まれな話だ。
お互い欠点を持っている人間である。
そのことを認識した上で、利他で寛容、そして賢く振る舞うことが大切なのだ。
これは仕事に限ったことではない。
家庭でも、友人関係でも応用できることである。
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