兵庫県尼崎市の連続変死事件の主犯格として逮捕され、昨年12月に留置場で自殺した“尼崎の鬼女”角田美代子元被告(64=当時)の次男の妻、瑠衣被告(27)と、義妹三枝子被告(59)が1月28日、神戸地裁尼崎支部で行われた窃盗罪の公判に出廷した。美代子元被告について三枝子被告は「姉」と呼んでいたにもかかわらず、側近中の側近だった瑠衣被告は「美代子」と突然、呼び捨てを連発。事件の大筋とは別のところで波乱が起きた。
肩をすぼめ伏し目がちな三枝子被告と対照的に、瑠衣被告はしっかりと前を向いて入廷した。瑠衣被告の服装は黒系の長袖Tシャツに下は黒地でサイドに白のラインが入ったジャージー、足元はピンクの靴下と同じくピンクのサンダルで現れた。
髪は後頭部で一つにまとめられていて、明るめの茶髪は束ねた根元近くまで黒くなっていた。年齢を重ねたとはいえ、幼い顔立ちは高校時代の写真のままだった。
三枝子被告は濃緑のチェックの上着で、下は黒のチノパンを着用。雑に束ねられた髪は白髪が多かった。
事件の大筋が判明して以降、初めて瑠衣、三枝子両被告の肉声が聞ける場とあって法廷内は空気が張り詰めた。そんな中、さらに緊張感が走ったのは瑠衣被告の被告人質問が始まったときだ。
弁護側から供述内容で虚偽の部分を質問されたとき、瑠衣被告は「三枝子おばちゃんに頼まれて(年金を引き出した)と説明していますけど、ほとんどが角田美代子から本当は頼まれたりしています」と、美代子元被告を呼び捨てにしたのだ。
その後も瑠衣被告は弁護側、検察側、裁判官が、すでに死亡している美代子元被告を「さん」付け呼んでいるにもかかわらず、「美代子」と呼び捨てにし続けた。同じ法廷に立つ三枝子被告のことを「三枝子おばちゃん」と逮捕前と変わらない呼び方をしていただけに、その差がハッキリと浮かび上がった形だ。
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