焼死安藤健三さん(80歳)息子の告白
引き続き、週刊文春11月12日号から。
焼死安藤健三さん(80歳)息子の告白
「事件翌日、木嶋がかけてきた一本の電話」
今年5月15日、千葉県野田市内の一軒家が全焼した。死亡したのは、安藤健三さん(80)。佳苗は介護ヘルパーと称して出入りしていた。小誌の取材に対し、唯一の肉親と住まいを一度に失った安藤さんの息子・史彦さん(36・仮名)が重い口を開いた―。
「火災当日、僕は八時前に家を出ました。その日は部屋の模様替えをする予定だったので、父は九時には起きていたはずです。木嶋は業者が帰った後に来たのでしょうか…。昼頃職場にいる僕のもとに火災だという連絡が入りました。車を飛ばして駆けつけましたが、もう屋根が落ちていた。父は辛うじて人の形をしていましたが、無残な姿で表情など分かりませんでした」
焼け落ちた家を前に、呆然と座り込んだ史彦さんは翌朝、佳苗からの電話を受けた。彼女が自身のブログで「サスペンスドラマにような一日でした」と悪ノリしたくだりである。
「朝八時頃、僕の携帯に『お父様の携帯が繋がらないんですけど、どうされましたか?昨日うかがったんですけど』と連絡がありました。火事のことを告げると、絶句していた。『当日いらしているなら、県警の方にお名前と連絡先を教えることになりますが報告してもいいですか?』と言うと、特に躊躇うことなく『別にいいですよ』と。『葬儀はどうされるんですか?』と聞かれたので、全部一人でやるつもりだと伝え、電話を切りました」
電話口では殊勝な佳苗だが、火災当日、安藤さんのキャッシュカードを持ち出し、現金約180万円を引き出している。現場には七輪に入った練炭が残されており、司法解剖では睡眠薬も検出された。史彦さんによれば、安藤さんは糖尿病の薬を服用していた程度で睡眠薬は飲んでいない。練炭を使うこともなかった。
彼女以外考えられない
「火災直後は、何が燃えずに残っているのか全然分からなかった。キャッシュカードの件も、一週間後、県警から『預金が何者かに全額引き出されている』と聞いて初めて知りました。
父はヘビースモーカーで、煙草の灰を部屋中に落とすような人です。『煙草の不始末が原因でしょう』ということで、一旦は落ち着きました。県警が木嶋を怪しんでいたのは事実ですが、『彼女の関与の度合いはわからないが、捜査は続けます。また連絡するかも知れません』と6月末に言われたきりでした」
しかし、千葉県警は内偵を続けていた。7月には近隣住民に佳苗の写真を見せ、目撃証言を集めている。
そして9月末、史彦さんは再び、火災前後の出来事や安藤さんと佳苗の関係を仔細に聞かれた。
「10月27日朝、県警から『今日の朝刊で記事が出る。騒ぎになると思います』と言われました。以来、マスコミの方が僕のところに来ますが、彼女のことは電話の声だけで、直接見たことはないんです」
それもそのはず、佳苗は息子の不在時にしか安藤さんを訪問していなかった。
二人が知り合った経緯はやはりインターネット。妻を10年以上前に亡くしてから、安藤さんはネットにはまり、これまでパソコンを5台も買い換えている。
「市に介護保険を申請しようか悩んでいた矢先の晩年10月、父から『木嶋さんという女性にボランティアで手伝ってもらっている』と説明を受けました。ネットの掲示板でヘルパーを見つけたようです。月に何度か父の方から『今日、来てくれないか』と連絡していました。再婚などは考えていなかったはずですが…」
県警は現存するパソコンの履歴も調べているという。
史彦さんは、淡々と言葉を継いだ。
「不審死が続いていうようですが、県警からは『説明できないのは大変申し訳ないけど、もう少しお待ち下さい』と言われている。捜査の終結を待つしかありませんが、(火災の犯人は)彼女以外考えられません」
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by buffett7jp | 2009-11-20 23:23 | 結婚詐欺事件